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“みんな受験するからうちも”のモヤモヤ|セブ島移住を選んだ私たちの考え方

周りの子がみんな塾に行き始めると、親としても不安になるもの。「うちの子も受験させるべき?」そう迷いながら、でも心のどこかで「本当にこれでいいのか」と疑問を感じている親は多いのではないでしょうか。セブ島で親子留学スクールを運営するタクさんとミユさんの夫婦は、その「モヤモヤの正体」を言葉にし、日本の子育ての現実を深く考察しています。
愛情から始まった受験が、親子関係を苦しめる矛盾

日本のお母さんたちから聞く受験理由は、実は明確でないことが多いといいます。「いい大学に行ってほしい」というより、「今のうちに受験しておけば後が楽だから」という感覚で、子どもを楽にしてあげたい、そういった愛情で先に受験させようか——そう考えている親が多いようです。また「周りがみんな受験してるから」という同調圧力も大きな理由になっています。
しかし現実は悲しいものです。子どもは夜遅くまで塾に通い、お子さんによっては本当に苦しい状態になっています。子どもが苦しい→親子関係も苦しい→お母さんも苦しい——最初は子どもの幸せのためだと思って始めた受験勉強が、やがて親子全員を苦しめる悪循環へ陥ってしまう。こんな話を本当によく聞くのです。親子留学の学校を運営する中で、20組以上の親子と共同生活していると、このまま行ってもいいのか、と疑問に感じている家族がいかに多いか見えてきます。
選択肢が見えない親たちの危険な思考停止

では、なぜ親たちはこうした疑問を持ちながらも、受験の道を進み続けるのか。タクさんの分析は鋭い——選択肢が見えていないのではないかということです。
みんなが通っている道しか見えないから、疑問があってもその道を通るしかない。そう考える親も多いのではないでしょうか。もし他の道が見えていたら、そっちに進む人もいるかもしれない。けれど、道が1本しか見えない状態で進み続けることは、本当に危ない。その進み方が子どもに合わなかった場合、子どもが「自分はできない人間だ」と思い込んでしまう危険性があります。
親が子どもの幸せのために動いていたはずが、結果的に我が子の人生に傷をつけてしまう——これ以上に悲しいことはありません。
AI時代、知識詰め込み勉強で本当に勝てるのか

さらに時代の変化も考慮する必要があります。今はAI時代です。知識を詰め込んで受験勉強をしてきた人が、この世の中で本当に勝てるのか、活躍できるのか、それは誰にもわかりません。
いま進んでいる列車が果たしてどこへ向かっているのか。その先に幸せなゴールが待っていればいいかもしれません。しかし、その先が崖になっていたとしたら。進み続けた先に何もなかったとしたら。それこそ悲しいことではないでしょうか。
小学校高学年は「種を植える時期」——今の幸せを奪う代償

小学校の高学年という時期は、本来、たくさん遊んで自分の好きなことを見つけたり、夢の種を植える時期だとタクさんは考えています。好きなことは何か、得意なことは何か、何をしたら喜んでもらえるのか——そうした自己発見の時間は、将来の人生に直結します。
ところが受験が1本になってしまうと、この大切な時期の幸せはどこへいってしまうのか。本来たくさん遊ぶべき時期を、受験だけに追いやってしまうのはもったいない。もちろん、受験と両立できる子もいっぱいいます。でも、できない子だっていっぱいいる。そして、種を植えない子は、将来も花を咲かせることができません。
タクさんの子どもたちは、正直言って学力は高くない。それでも親として、今を受験だけに注がずに、たくさんの挑戦をさせて、失敗を経験させ、親としてカバーしてあげられるうちにやれることをやっておこう——そう考えています。
セブ移住という選択肢——同じ金額でもっと広い世界を

実際の事例として、セブ島に移住したあるお母さんの話があります。息子さんは勉強が好きではなかったのに、受験に向かって毎晩遅くまで勉強をしていた。このままでいいのか、と悩んでいた時に、親子留学の存在を知りました。計算してみると、驚くべき結果が出たのです。
セブで教育移住する場合、年間でおよそ40万円の学費(小学生1人)、2人来ると80万円、生活費が月額20万円(年240万円)。合計320万円あれば、子ども2人を学校に通わせながら、英語を学び、様々な経験ができる生活ができます。一方、日本で塾に通わせて受験対策をするのに、ほぼ同じ金額がかかっていたのです。
ほぼ同じ金額でセブに移住できるなら、そこでは英語も学べるし、フィリピン文化も知ることができます。子どもたちはシンガポールやマレーシアへの研修旅行に参加したり、プロジェクトを通じて実践的な経験を積んだり、動画制作に取り組んだりしています。しかも、海外に2年以上いると、帰国子女枠で英語に強い中学校の受験資格が得られるケースも多い。つまり、道が閉じるどころか増えるのです。
大切なのは「どの道か」ではなく「選べているか」

タクさんたちが伝えたいのは、選択肢はいっぱいあるということです。親にも子どもにもあります。1本の道が絶たれても、他の道があるんだ——そのことを知ってほしい。
セブへの移住は一つの選択肢に過ぎません。マレーシア移住でもいいかもしれません。日本でもフリースクールやオルタナティブスクールが増えています。どの道を選ぼうが、大事なのは「親子で話し合い、納得して選べているかどうか」です。もちろん、受験だって立派な選択肢。問題は、どの道を選ぶかではなく、選択肢が見えた上で、自分たちにぴったりな道が選べているか、そこなのです。
受験を決める時期は大体小学3〜4年生ですが、やってみて変わることもあります。だからこそ、親が固く信じ込まず、時には立ち止まって考え直す柔軟性も必要です。
今、あなたとお子さんが進んでいるその道は、選んだ道ですか?それとも、それしか見えなかった道ですか?一度立ち止まって、そう問い直してみる価値があるのではないでしょうか。あなたとお子さんにも、きっとたくさんの道がある——その可能性を信じることから、本当の幸せな子育てが始まるのだと思います。






