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軸さえあれば、何度でも変えていい|セブ島移住&起業14年の軌跡

完璧な準備が整う日は、永遠に来ない。2012年9月、手元に200万円、スタッフは先生1人に生徒1人。そんな状態でセブ島に飛び込んで、英会話スクール「A会話スクール」を立ち上げたとき、私たちはそのことを痛感しました。その後、14年の間に事業は何度も形を変えてきました。旅人向けのスクール、キャリア支援スクール、そして親子留学プログラムへ。コロナでいったんゼロに戻り、マイナスから再出発することもありました。外から見れば「ぶれている」かもしれません。しかし、私たち夫婦の中には、一度も揺らがなかった軸がありました。それは「世界に飛び出す人を応援する」という、ただ一つの想いです。
最初は「旅人」をテーマにした、他にはないスクール

私たちがセブ島でスクールを開いたとき、最初のコンセプトは「旅人」でした。大手の英会話学校は決してやらないテーマです。でも私たち自身が世界旅行をしてセブに辿り着いた旅人だったから、同じような人たちをサポートしたいという思いが強かったのです。だから「世界一周準備コース」や「掘り準備コース」といった、他では見かけないコースを作りました。実際に、世界一周を控えた人や、掘の前の人たちがたくさん集まってくれて、その時代は本当にエネルギーに満ちた楽しい年月でした。みんな違う背景を持っていて、スクールは活気に溢れていたのです。
キャリア支援スクール、子どもの誕生、そしてコロナの衝撃

ただ、私たちはもう1つ別のコンセプトのスクールを立ち上げていました。「ビヨンド」という学校で、キャリアと海外就職をテーマにしていました。私が海外就職やキャリアについて書籍を出していたこともあり、世界一周後にキャリアに悩む人たちを見てきたからです。その人たちのサポートをしたいという想いで立ち上げたのですが、実は1年ほどでこのスクールは閉じてしまいました。思ったほどうまくいかなかったのです。
その後、子どもたちが生まれました。クロスロードという場所で、みんなで子どもたちを育てる環境の良さを感じるようになり、親子留学コースが加わっていきました。当初は1組、2組という小さな規模でしたが、少しずつ増えていって、やがて親子留学が大きなウェイトを占めるようになっていきました。
そしてコロナが襲ってきました。私たちは全て一度リセットし、日本に帰ることを選択しました。ビジネスがゼロになるだけでなく、マイナスの状態での帰国でした。3年間、日本に滞在してから、3年前にセブ島に戻ってきた時、私たちはコンセプトを大きく変えることにしました。フォーカスを親子留学に一気に絞ったのです。
「ぶれている」ように見えても、軸は一つだった

外から見れば、私たちのビジネスは何度も形を変えて、ぶれているように見えるかもしれません。でも、実は私たちの中には明確にぶれない軸が、最初からありました。それが「好きな場所で、好きな人と、好きなことをやって生きていく。そういう人たちを増やす。そういう人たちをサポートする」という想いです。
旅人だった私たちは、世界に飛び出す人を応援していました。子どもが生まれて、親になった後も、その軸は変わりません。今度は「子どもと一緒に世界に飛び出したい」という人たちを応援したいと考えるようになりました。応援する対象が変わっただけで、「世界に飛び出す人を支援する」という大切な想いは、一度も揺らぐことがなかったのです。
キャリア支援スクールもそうです。失敗に終わってしまいましたが、その時も私の根底にあったのは「人生をキャリアから支援したい」という想いでした。軸の上に、あのビジネスがありました。
ここで大切なのは「事業を人生に合わせた」ということです。人生を事業に合わせるのではなく、子どもたちを含めた人生そのものを豊かにしていきたいという思いから、ビジネスの形を何度も変えてきたのです。だから、それは「方針転換」ではなく、「ぶれていない一貫性のある選択」なのです。
軸は仮置きでもいい。大切なのは「一歩踏み出すこと」

子育ての方針も、働き方も、人生のステージが変わればそれに応じて変わっていっていいのです。変わらない軸さえあれば、翻弄されることなく、自分たちの想いを持って進んでいくことができます。
ただし、ここで強調したいのは、その軸自体も「仮置き」でいいということです。私たちがこの軸を定めたのも、スクールを始めた時点では「仮」だったのです。でも、経験を積み、失敗も含めた様々な出来事を経ながら、人たちに喜んでもらう経験を通じて、その軸がしっかり固まっていきました。進みながら少しずつ方向修正をしながら、軸を磨いていったのです。
もし軸が完全に見つかるまで待っていたら、誰も一歩を踏み出すことができません。ですから、仮置きでもいいから軸を決めて、その軸に従って一歩だけ動いてみる。その一歩が、人生を変える力を持っているのです。
失敗と地雷の数々の中で得たもの

もちろん、大変なこともたくさんありました。コロナで全部ゼロに戻して帰ったこと。ビジネスのことを何も知らないまま、海外で事業を始めたこと。初めてのビジネスチャレンジだったから、地雷を何度も踏みました。日本人がセブでこのような英会話スクールを運営している事例も、当時はほとんど知りませんでした。
でも、軸があったからこそ、私たちはあっちこっちに言われ続けることなく、自分たちの軸を持って進むことができたのです。
最後に、あなたに問いかけたいこと

もしかしたら、私たちの話を聞いていると、私たちが特別な人間のように感じるかもしれません。でも本当のところ、私たちは普通の夫婦が、ただ一つの軸を持ちながら、色々と変わりながらやってきただけです。
最後に、皆さんに一つの問いをお届けしたいと思います。あなたが大切にしている、変わらない軸は何でしょうか?それが明確でなければ、仮でもいいから決めてみてください。その軸があれば、人生のステージが変わっても、子育ての方針が変わっても、働き方が変わっても、ぶれることなく前に進んでいくことができるのです。







