- NEW
- ブログ
- セブ島親子留学・親子移住
- 親子留学&移住体験談
中学受験も、お店も手放してセブ島移住へ|母が選んだ、もう一つの道

子どもとの時間が本当に取れていない毎日——そう話す母親の表情は、どこか疲れていた。日本でネイルサロン2店舗を経営しながら、朝から夕方までサロン業務をして、帰宅後は子どもの塾や習い事の送迎をして、土日も仕事ばかり。気づけば、5年生の息子と3年生の娘の子育ての大切な時間を失っていた。その悔恨と、ある夏の親子留学体験が、人生を変える決断へと導いた。
「子どもが楽しいと言った」——セブへの一週間が人生を変えた

去年の夏、家族旅行としてセブを訪れた時のこと。検索で見つけたクロスロードで親子留学プログラムに参加することにした。子どもたちが英語を学ぶ間、大人は自由時間を過ごすという気軽な気持ちでの参加だった。しかし、そこで予想外のことが起こった。子どもたちが「英語、すごく楽しい」と言い出したのだ。
特に5年生の息子の変化は劇的だった。それまで中学受験に向けて塾漬けの毎日を送っていた彼が、セブでの1週間で、勉強の意味を問い直し始めた。帰国後も母親と一緒に複数の中学校を見学に回ったものの、息子の乗り気でない様子は明らかだった。そしてその年の10月、息子に問いかけた。「中学受験を続けるか、留学に行くか、どちらがいい?」——答えは瞬時に返ってきた。「留学に行く」。その言葉の速さ、決定の強さが、母親の決意を固めた。
中学受験ではなく、セブでの現地進学を選択した経済的現実

日本での中学受験にかかる費用は膨大だ。3年生から4年生で塾に入ると、受験終了まで300万から400万円程度かかる。そしてそれで終わりではない。中学進学後の学費も1年間で100万円以上かかるという。一方、セブでの生活・学費はどうか。母親の英語レッスン代、娘と息子の現地学校の授業料、そしてハウスキーパーさんの給与もすべて合わせて、日本の中学受験費用より圧倒的に安く収まる。むしろ経済的には有利になる状況だった。
それでも決断は簡単ではなかった。日本でお店を経営していた間、多くのお客様に支えられてきた。1店舗を閉じることへの申し訳なさ、スタッフへの責任感——そうした思いがあった。しかし、長年の顧客とスタッフから「挑戦を応援する」という温かい言葉をもらった。夫も「子どもが行きたいのなら応援する」と背中を押してくれた。
パンチが当たった瞬間——合格への道のり

セブに来てから、予定していた学校の入試に臨んだ。妹の3年生の娘は合格したが、5年生の息子は落ちた。初めて大きな挫折を味わった息子は、家に帰ってから悔しくて涙した。元々負けず嫌いではなかった子が、ここまで悔しがる姿は母親にとって新しい発見だった。
その悔しさが、息子の原動力へと変わった。「もう絶対頑張る」——そう宣言した息子のために、母親は1ヶ月間、午前4時間のマンツーマンレッスンと午後のグループレッスン、帰宅後2時間の自習という過酷なスケジュールを組んだ。毎日、明るい息子が無表情になるほど必死だった。それでも、学校の先生もハウスキーパーも、周りのお母さんたちも応援した。
そして迎えた再試験の日。息子は合格した。学校中が祝福してくれた。この経験を通じて、息子は「自分はやったらできる」という確信を手に入れた。それは、どんな学歴よりも尊い財産となった。
英語を話し始めた自分——大人も変わっていく

母親自身も変わっていた。来た当初、英語はほぼできない状態だった。しかし、ホテルに泊まった時、フィリピン人との簡単な雑談の意味が「すごくクリアに分かった」と感動した。その後のホテルのフロント対応でも、自分の考えを英語で答えることができた。その喜びが、さらに勉強への意欲につながり、レッスン期間の延長を申し出るほどになった。
セブに来て気づいたのは、周りに挑戦している人たちがたくさんいるということだ。起業したいと考えている人、新しい事業に挑戦している人、一緒に暮らっているお母さんたちがいっぱいいる。その刺激的な環境で、昨日もキャップカットとキャンバスの使い分けについて相談した。こうした学びと成長の循環が、母親の次の一歩へとつながっていく。
子育てが本当に変わった——時間を手に入れたことの価値

セブに来て最も大きく変わったのは、家族の時間の過ごし方だ。日本では、母親も子どもも常に時間に追われていた。子どもが「お話聞いて」と言っても「ちょっと後でね」と返し、結局その日が終わってしまう——そんな毎日の繰り返しだった。
しかし今、母親の時間が手に入った。ハウスキーパーさんが家事を担当してくれるおかげで、学校のお迎えで子どもと手をつなぎながら、今日あったことを聞く時間がある。帰宅後も「こんなゲーム覚えたよ」と一緒にやってくれる。4年生から6年生は親との関係が急速に変わる時期だ。この時期を、子どもと真摯に向き合う時間として過ごせることの価値は、何物にも代え難い。
先日、家族でダイビングにも行った。周りに同じように家族で挑戦している人たちがいるから、「みんながやってるなら、自分たちもやってみよう」という気持ちになれる。セブという環境そのものが、失敗を恐れず挑戦する姿勢を育てている。
迷っている親たちへのメッセージ——人生は一週間で変わる

海外移住を迷っている親に、母親は強く伝えたい。「クロスロードに来ることで、子どもたちは楽しく、お母さんたちも楽ができて、プラスして子どもとの時間が取れる。迷うことはない」と。
そして、こう続けた。「もし踏み出すのに躊躇しているなら、まずは1週間でもいい。私は夏休みの1週間で人生が変わった。迷っているなら、1週間でもいいから踏み出してほしい」
日本での完璧な人生計画を手放す勇気。それは実は、子どもたちが「やったらできる」という自信を持つのと同じ勇気だ。今、セブで毎日を過ごす家族は、そのことを身をもって証明している。







