【伝説の旅日記を公開】
若かりし頃にアジア1人旅をしたダイスケは、旅の後、『そうだ、旅の経験を文章にして、たくさんの人に読んでもらおう』と思い立つ。時代を読むセンスがあればブログを書いていたと思うのだが、スーパーアナログ人間ダイスケは、『そうだ、電車の中で読んでもらおう♫』と、書いた旅日記を印刷し、駅で配るという行動に出る。『アジア1人旅、旅日記を書いています。よろしければ読んでみてください!!』と駅前で声を張り上げ、4年という期間(旅は1年ちょっとなのに)をかけ、意地で書ききった当時の自分を、僕は今、、、あまり思い出したくない(笑)
【 過去記事はこちら 】
今日まで1週間一緒に旅行してきたハインを見送り、
これから俺が向かおうとしてんのが「ミッチーナ」っつ~街。
そこは、今いるミャンマーで2番目にでっけぇ「マンダレー」っつ~街から、
電車で24時間くらい北上していったところにあるらしい。
「なんでそこに行こうと思ったの?」って?
う~ん、、、
だって、ハインがオススメって言ってたから。
俺ミャンマーに来ときながら、
この国の事、なんも知らねぇからさ、
行きたい場所とか無いんだよね。
だって、どこに何があるかわかんねぇし。
マジ2週間前まで、
ミャンマーの街の名前すら、1個も知らなかったからね(笑)
だから、オススメって言われたらね~、
とりあえず、、、
行ってみよっかな、って思うっしょ?
宿をチェックアウトして数十分。
無事に駅に着いて、ホームの場所を聞くために、
昨日買っといたチケットを駅員さんに見せたんよ。
そしたらさ、なんだろ? 外人は特別扱い?
ご親切に席まで案内してくれんの。
しかも、英語だと普通なのかもしんねぇけど、
「Sir(サー)」とか呼ばれちゃって、、、
まぁ気分良いよね(笑)
久々にお客さん扱い受けたらさ、
なんかすげぇVIPな気持ち。
でさ、もう気持ちがVIPになっちまってっから、
英語ペラペラぶってさ、
「Ah~han」
とか
「O~K~、Thanks」
とか言って格好つけてたんだけど、
俺の席って、、、
一番安い、
「背もたれがほぼ直角の木の席」
なんだよね。
ぷっ、超~庶民。
さすがの俺もさ、
すぐに全く格好付いてないって悟ったよね。
だから、席まで連れて行ってもらったら、
駅員さんに心から「チェズテバレー(ありがとう)」 つってバイバイした。
そんで、荷物を上の棚に置くと、
これから約24時間お付き合いする事になる
「背もたれがほぼ直角の木の席」に座った。
う~ん、、、これは、、、
姿勢良くなりそう、、、。
さて、出発までまだ大分時間があるし、どうすっかな、、、。
とりあえず周りが俺の崩れたアフロを超~観察してっからなぁ、、、
よし、、、
観察返し!!
ほとんどのミャンマー人さんが身につけてる「ロンジー(腰巻)」は、
似てるようでどれも違った柄で、見てて飽きねぇ。
派手な柄でお洒落に決めてる人、
地味だけど自然な着こなしの人、
裸にロンジーだけの自然過ぎる人。
下がったズボンを上げるような感じで、
ロンジーを巻き直す仕草を見てると、
丈の長さもそれぞれが自分の好みに合わせて、
その都度調節してるみてぇよ。
一番多いのが足首くらいまで隠すタイプかな。
女性はほとんどこれ。
さすがにミニスカートチックな人はいねぇなぁ(笑)
たまに見かける男の7分丈も悪くねぇ。
荷物をたくさん持ったり、運搬的な仕事をしてる人は
4~5分丈くらいまで上げてる人もいる。
うん、動くにはそんくらいが良さそう。
例の自然過ぎる人は上げ過ぎてほぼフンドシ状態。
まぁ暑いしね(笑)
色んな使い方ができそうだし、
自分好みの柄を探すのも楽しそう。
しかも、
あれノーパンで穿いたら絶対超快適っしょ!?
欲しいかも。
窓越しに声を掛けてくるのは物売りさん。
弁当、水、果物、葉巻、噛みタバコ、、、
いろんな売り物を頭に載せた物売りさんが、次々に声を掛けてくる。
ホームには、売り物を広げて、
がっつり店を開いてるおばちゃんもたくさんいる。
その店と電車の間を何度も往復し、
出前をする子供もいる。
高い電車の窓に向かって
一生懸命腕を伸ばしてお金を受け取る子供たち、、、
あぁ、PSP買ってやりてぇ。
あぁ、おもしれぇ。
見てて全く飽きねぇ。
これマジでいつまででも見ててぇかも、、、
椅子が快適だったら。
やべぇ、早くもケツが、、、まだあと24時間座るのに。
ほぼ満席の列車内で、
出発時刻になっても俺の隣の席はまだ空いてる。
さっき駅員さんが俺をこの席に案内してくれた時に、
俺の隣の席を指さして「Foreigner(外国人)」って言ってたから、
たぶん外人が来るんだろうけど、、、。
別に知ってる奴が来るわけじゃないから、
気にしなくても良いんだけどさ、
出発時間も過ぎてるし、なんとなく気になっちゃうよね。
どんな奴が来んのかなぁ~、、、
「ニホンジンデスカ?ワタシハイングランドデス。ニホンゴベンキョウシマス。ヨロシクオネガシマス。」
「おぉ、日本語喋れるんだ。すげぇ嬉しい。よろしく~。」
「一人で旅行してるの?」
「ソウデス。オトウサンハ、オンナヒトリハアブナイ、イイマシタ。デモ、ワタシ、ヒトリヤッテミタカッタデス。デモチョットサミシイ(笑)」
「そっかぁ~」
「モシヨカッタラ、イッショニ トラベリング シマショウ。」
日本語がしゃべれる金髪のヨーロッパ系美女っつ~、
自分に超都合の良い展開を妄想してると、
慌て気味の駅員に案内されて
超でっけぇバッグを持った金髪の外人さんがやってきた。
なんだよ、男かよ、、、
どうやら、彼待ちだったらしく、
彼が来たのと同時に列車は出発した。
男だった事にがっかりしすぎたのか、
彼が独特な雰囲気を持っていたからか、
なんとなく挨拶するタイミングを逃してしまった。
たぶんこれから24時間一緒だし、
目的地も一緒だろうから、仲良くなりたいんだけどなぁ~、、、。
勝手に気まずい思いになっていると、彼はかばんから袋を取り出し、
ものすごい勢いでその中のヒマワリの種を食べだした。
それを横目で見て、気まずいながらにこう思ったんよね。
うわっ、めっちゃヒマワリの種食ってる、、、
数十分後、
彼は相変わらずヒマワリの種を食ってる。
ふと、彼の前に座っているミャンマー人さんが葉巻に火を点けた。
電車の中でも禁煙って雰囲気は無く、
タバコ好きの俺にとってはかなり有り難い。
なんか気まずいし、俺も葉巻でも、、、
「FUCK !!」
ドキッ!!
彼はそう叫ぶと、
ミャンマー人さんの葉巻を取り上げ、火を消し、窓から捨てた。
そして煙を手で払いながら、めちゃくちゃ早い英語で、
ミャンマー人さんに怒鳴りつけてる。
ミャンマー人さんはポカーンとして何が起きたのかわからなそう。
周りもびっくりして、立ち上がってこっちを見ている。
一通り言いたい事は言ったのか、
彼は再びヒマワリの種を食いだした。
それを横目に見て、更に気まずいながらにこう思ったよね。
うわっ、めっちゃ怒ってるけど、
やっぱめっちゃヒマワリの種食ってる、、、
いやぁ~しかし、、、超~ビビッた、、、。
マジあっぶねぇよ。ホント良かったぁ~、、、
俺が先に吸わないで。
俺あんなに攻められたらマジで泣いちゃうもん。
しかし、えらい気難しい奴が来ちまったなぁ。
この感じ、、、
只でさえケツが痛ぇのに、
あと23時間以上も耐えられっかなぁ、、、。
数時間後、
ある駅に着くと、彼は窓越しに物売りさんからマンゴーを2つ買った。
そして、彼は俺に話しかけてきた。
「Can you speak English ?」
「あ、う~ん、、、ア リトル、、、。」
「Do you have a knife ?」
「ナイフ?ノー、アイ ドント ハブ。ソーリー。」
「、、、OK」
もうビビってたからさ、これ以上ないくらい不機嫌なOKに聞こえて、
「ミッチーナ」に着いたら絶対ナイフを買おうって思ったよね(笑)
この時はさ、彼と仲良くなれるなんて、
これっぽっちも思って無かったけど、、、
まぁ、いろいろあっておもろいやね。
つづく。
ウトウト、、、
ウトウト、、、
んん~、、、
ふぁ~ぁぁあ~あ。
あぁ~、ケツ痛ぇ、、、。
あれ、、、
いつの間にか暗くなってんじゃねぇか。
列車で「マンダレー」を出発して何時間経ったかな?
硬い木の椅子に、俺のおしりちゃんが悲鳴をあげてる。
しばらく寝れてたみたいだけど、
背もたれはほぼ直角だし、ケツは痛ぇし、
もっかい寝ようと思ってもなかなか寝付けねぇ。
隣を見ると、アメリカ人の「ナフ」が
窓枠をうまい具合に枕にして、気持ち良さそうに寝てる。
くそぉ、窓際うらやましいぜ、、、。
「ナフ」が隣の席に乗ってきた時、
なんか独特な雰囲気があってさ、挨拶しそびれちゃったんよ。
それで、ただでさえ気まじぃのにさ、
ミャンマー人さんが葉巻を吸ったら、ナフがいきなり
「FUCK」
とか言ってキレたりすっから、超ビビッてたんよ。
でも、名前聞いたら
「俺はナフターリン。ナフでいいよ!!」
とか言うから、その瞬間おもしろくなっちった(笑)
防虫剤、、、
あ、いや、よろしくね!!ぷっ。
マンダレーを出発してから、ずっと気まずくて、
なんかすげぇ微妙な気分だったんだけどさ、
挨拶できたことで大分気は楽になったな。
ケツは辛れぇけど、、、。
お!? 駅に着くみてぇだな。
うし、ちょっと外で一服してくっかな、、、
、、、。
ん?
!?
わぁ!?
ちょっと待っ、、、
え!?
ちょっ!?
ハンパ無ぇ、、、。
全っ然一服どころじゃねぇから(笑)
駅に着いたかと思ったら、車両の前後はもちろん、
窓からもじゃんじゃん人が乗って来んの。
もうあっちゅ~間に大パニック。
席はもうほとんど埋まってっから、
みんな少しでも良い場所を確保しようと必死なんだろうね。
起きたナフは、
その光景を見て「Crazy」的な事を呟きながら苦笑い。
俺は何故かその場の流れで、
窓から乗って来る人を引き上げてる。
おっちゃん、おばちゃん、女の子、、、
5~6人くらいは釣り上げたかな(笑)
しかもみんな荷物も多いからさ、
上の棚に全っ然乗りきらねぇんよ。
それで、「そこは私の場所」とか、
「先に置いたもん勝ち」みたいな感じで、
あちこちで荷物置き合戦も始まった。
席の上に立ち上がって、
掴み合いになってる人もいる、、、
まぁ、見てるのはおもしれぇんだけど(笑)
パニックが落ち着いて、
列車が出発する頃には通勤ラッシュばりの混み具合になってた。
もう、ぎゅうぎゅうよ。
でも、通勤ラッシュと違ぇのがさ、
みんな座りこんじゃってんだよね。
もう通路もびっしりでさ、歩くスペースなんか無ぇから、
物売りさんも、トイレ行く人も、、、
みんな肘掛の上を歩いて行ってるもん(笑)
目的地の「ミッチーナ」まではまだ15時間以上。
こりゃファンキーだわ、、、。
夜も遅くなってくると、
床に座ってる人達も寝に入る態勢になってきた。
ぎゅうぎゅうの車内で、
みんな少しでも楽に寝れる態勢を探してる。
その結果、、、
俺の足の間には
綺麗なお姉さんが俺の足を枕に、
肘掛に座ったかわいいお姉さんは
俺の肩を枕にして
おやすみになられました、、、。
ドキドキして眠れません。
眠れませんけど、、、
夢のようです。
やっぱり旅の醍醐味は 「ふれあい」 ですよね。
女の子がおっちゃんだったらと思うとゾッとするけどね(笑)
翌朝、寝不足とケツの痛みで、ダルダルだった俺を
「旅ってやっぱ素敵ドキドキ」
っつ~テンションに戻してくれる超カワイイ光景を目にした。
数十分前、
車内で物売りさんが花を売りまわってる時は、
なんであんなに売れるのか全く分からなかった。
いや、今、花とかいらねぇ~し、、、って感じ。
でも、かなりの人が買ってるから、気にはなってたんよね。
その後、
ある駅に着いて、数分間止まって出発した。
出発すると同時に、さっき花を買った人達が窓際に集まって来て、
外にむかって花を投げだした。
何かと思って外を見ると、
こっちに必死に手を振るミャンマー人の女の子がたくさん。
なんか結婚式のブーケトスみてぇ。
景色と一緒に後ろに流れていく
彼女たちの歓声が、めっちゃ心地いい。
何の習慣か知んねぇけど、
車内も外も、みんなの幸せそうな顔が超素敵。
癒された~。
列車に乗って約25時間半。
着いたぁぁあ~!!
ケツが痛ぇとか、お尻が痛い事、
ヒップに感じる痛みなどなど、
いろいろ大変でめっちゃ疲れたけど、
なんとか無事に「ミッチーナ」に到着した。
到着した今となっては、
この25時間半全部が楽しかったような気がする。
木の椅子で丸一日を過ごした
っつ~武勇伝ができた事もうれしいし、なんか、俺って、、、
変なの(笑)
相当キツかったのに、「もう懲りた。」 なんて全然思わねぇの。
逆にもっと長時間でも挑戦してみたいくらいだもん。
俺、、、 ドMだったみたい。
列車の中ではそんなに話さなかったんだけどさ、
部屋をシェアすると安くなるからっつって、
ナフと一緒に宿探しをする事になった。
駅の近くで見つけた宿は、
旅行者向けの宿っぽかったけど、ちょっと高かったからやめた。
2件目に見つけた宿は、
信じられないくらい安くて良かったんだけど、
外国人は泊まれないらしい。
なんでか知んねぇけど、
まぁ泊まれねぇもんはしょうがねぇよな。
ナフはハンパ無ぇキレてたけど(笑)
ちょっとがっかりしたけど、
3件目がすぐに見つかった。しかも安い。
「外人は、、、?」
「OK !!」
良かったぁ~、、、
ナフの機嫌が直って。
怖ぇんだもん。笑
シャワーを浴びてさっぱりした後、
ナフと散歩に出掛けた。
街に沿って流れる大きな川。
陽が落ちた直後の雰囲気がなかなか幻想的で良い。
そこでギターを弾きながら歌っている3人組を見つけたんよね。
近づいて行ってみると、聞き覚えのある曲を弾いてる。
「Change the world」
こんなとこで自分が知ってる曲聴けるなんて思って無ぇから、
嬉しくてつい歌っちゃったんよね。
そしたらねぇ、そいつらと仲良くなっちゃった。
ナフが。
間違いなく俺がきっかけなんだよ。
けどさ、2曲目以降、俺が知らないのばっかなんだもん。
ナフはほとんど知っててさ。
だから、最初の曲は盛り上がったけど、
あとは楽しそうな4人を横目にいじけてたよね(笑)
まぁでも、楽しそうなナフを初めて見てさ、
「こいつ実はかなり良い奴なんだな」
って確信できたのは良かったかな。
なんか仲良くなれる気がしてきたもんね。
夜は宿の近くのビアーバーで語り合った。
高校、大学と飛び級で卒業した天才で、
煙草嫌いで、ベジタリアンで、
ビアーバーで水を飲むような奴で、
俺とは正反対すぎて超気を使うけど、まぁ一緒にいておもしれぇ。
これから何日一緒にいるかわかんねぇけど、楽しくなりそうだ。
また新しい出会いに感謝だな。
翌日、今日はナフとは別行動。
俺はここでの目的でもあった、バイクでのツーリングに行く。
数十キロ行ったとこにある
「ミーソン」っつ~ところが素敵らしいんよ。
だけど、道とか知らねぇから、
ちょっとした探検気分だよね。
「ミーソン」に着くも良し、
見知らぬ場所に迷い込むも良し。
ちょっとワクワクするでしょ?
バイクを借りて、いざ出発じゃ!!
Let's GO~ !!
1分後、、、
ノーヘルで白バイに止められた。
あれ?
これ、なんか、、、やばい???
つづく
ブォ~ン おっと、
ガチャン ブル~ン ぅわっ、
ガチャン ブルル~ン、うぉ!?
「Hey hey !! '&%#'#%#%$$ ??? 」
「えっ!? 何?」
3段ギアのバイクで、ギアを変えるたびに
ガックンガックン しながら宿を出発して1分。
お巡りさんらしき2人組に止められた。
運転が下手っくそなのはともかく、
俺、ノーヘルな上に、国際免許証も持ってないんよ。
うわっ、やっべぇ、、、。
止まるなり、2人のお巡りさんは
ミャンマー語で何やら話しかけてきた。
俺の頭を指差しながら怒ってるこの感じからすると、、、
「なんでヘルメットしてねぇんだ?」
か
「どこでパーマあてたんだ?」
的な事を聞いてるに違いねぇ。
これはまじぃぞ。まじぃぞ、これは。どうすっかな、、、
あ、そうだ!!
何ヶ月かアジアを旅行した
俺の経験が導き出した答え。
それは、、、
必殺、
「日本語しか喋らない作戦」!!
「え?なんですか?」
「 &%$###%$#')(&$ !! ヘルメット? ユー、ノー ヘルメット?」
「え?このアフロ?
これねぇ、初回は特別っつって、1万円でやってくれたよ。」
「 &%&'$'%)&%,,,,,, OK,sir,,,,,, passport please ? Passport !! 」
「床屋でやったよ。
うん、お洒落アフロっつ~より、昔のヤンキー風って感じかな。」
何を聞かれても、
とにかく日本語だけを喋り続けるんよ。
そしたら、、、
「 %$#&%''(& $#&%' %$# '&% ,,, ,,, ,,, ,,, 」
言葉が通じない事で
完全にめんどくさくなった感じの2人のお巡りさん。
二言三言2人で話すと、手で「行け」の合図が出た。
「は~い。ど~もで~す♪♪」
作戦大成功!!
ふぅ、お巡りさんゆるくて助かったぁ、、、
完全に俺が悪りぃもんな。
お巡りさん、なんかごめんね。
もうしないから、今日だけ見逃して(笑)
カチッ、 プシュシュ、、、 ブルル~ン!!
エンジンを掛けると、白い雲が綺麗な晴天の中、
ノーヘルでタンクトップっつ~超気持ち良い格好で、
またバイクを ガックンガックン させながら出発した。
目指すは「ミーソン」ってとこ。
今いる「ミッチーナ」に流れているなんちゃら川の上流にあって、
二つの大きな川が合流している場所らしいんよ。
っつ~事で、まず川に行った、、、
なんちゃら川は左から右に流れてる、、、
とりあえず左だな、、、
数十分走って
運転に慣れてくると、道は未舗装になった。
悪い道を運転するのが逆に楽しく、
未舗装路が周りの緑とマッチして景色もかなり良い感じ。
道があっているのか分かんねぇっつ~のもおもしれぇし、
日差しと風も超~気持ち良くて、マジで最高に良い気分。
あぁ、、、生きてるって感じがするぜ!!
不思議だなぁ。なんでここなんだろう?
ツーリングなんてやろうと思えばどこでもできんのに、、、
自然の綺麗な所だって他にも超いっぱいあるし、、、
でも俺は、ここに来たから知ったんだよなぁ。
こういう素敵な事。
ここに来なかったら、自然の中をバイクで、
しかも一人で走ろうなんて思わねぇもんなぁ、、、
やっぱ自分で動いてっから、新しい何かに出会えてんのかなぁ。
なんか楽しい事起きねぇかなぁ~って、待ってたってダメだな。
自分から動きだしたらこんなにあるんだもんなぁ~
楽しい事って。
手を振って来るガキんちょに
「タッター(バイバイ)」って言って手を振り返したり、
分かれ道をテキトーに行ったら行きどまったり、
行きどまった先に素敵な景色が拡がってたり、、、。
過ぎていく時間、流れていく光景全てが素敵に感じてさ、
いろいろな事を考えんだよねぇ。
まぁ、ちょっと浸りすぎちまってさ、、、
泥にハマってコケましたけどね(笑)
ひざ下、ドロッドロ、、、。
でも、ほんと自然の中で
時間に縛られないで走ってるとさ、いろいろ考えるんよ。
今まで自分と向き合う事なんてほとんど無かったからさ、
旅をしてる中で、こういう時間を過ごせるっつ~のも、
最高に有意義な、、、
あぁ~、足痛ぇ!!
泥が乾いてパリパリになった足で運転していると、
前方に信じられない物が見えてきた。
え!? マジ?
あれって、、、
あのおしりって、、、
やっぱり、、、
ゾウさぁあん!!
しかも少年が乗ってるぅぅう!!
はっはっはっは(笑)
すげぇ、本物だ~。
リアル象に乗った少年じゃねぇかぁ!!
ゾウさんを抜かしてしばらく行くと、
喫茶店チックなお店を見っけた。
おっしゃ~、
足に加えてケツも痛くなってきたし、ちょっと一服しよ~っと。
バイクを置いて店に入り、
プラスチックの椅子でジュースを飲みながら葉巻を吸う。
プハァ~、美味すぎる!!
贅沢じゃぁぁああ!!
あ、そうだ、、、
たまにはデジカメちゃんも使おうと思って、
外の景色を撮ってみた。
そしたら、店のおばちゃんがカメラに興味津々になってさ。
撮ってあげるって感じにジェスチャーしたら、
めっちゃ近くまで来んの(笑)
たぶんレンズが小さいから、
近くに来ないと入らないと思ったんじゃねぇかな。
おもしれぇから、そのまま動画にしてみたのね。
案の定ずっと止まっててさ、いつ終わるの?みてぇな感じで困ってんの。
そんで、
あとで一緒に見てめっちゃ笑ったよね。
デジカメちゃんグッジョブ!!
言葉とか全然わかんねぇけどさ、
一緒に笑えるってやっぱ最っ高楽しいわ。
ちょっとして、
さっきのゾウさん来たからさ、ばっちり写真に撮ったんだけど、、、
はっはっは(笑)
何回見ても笑えるわ。
普通にゾウさんが道歩いてんだもん。
結局、
超~マイペースで120~130キロくらいツーリングしたんよ。
バイクを置いて散歩もいっぱいしたし。
昼を大分過ぎて着いた「ミーソン」も
素朴ですっげぇ素敵だったけど、もう宿出てから全部が最高だったね。
ちょっとした事がすげぇ幸せに感じるもん。
マジ超すがすがしい一日だわ。
行きに手を振った子供が覚えててくれてさ、
帰りは更にハイテンションで手振ってくれんの。
人数も増えてるし(笑)
もう、最っ高!!
「タッタ~!タッタ~! タァッタァァア~!!」
ゴクゴクゴク、、、
プッ、、、ハァ~!!
あ~、最高な一日を締めくくる生ビールも最高だねぇ~。
良い雰囲気の綺麗なバーでさ、
タキシードチックな服のスタッフがいて、
店の奥にあるステージでは、
若い歌手?が交代でライブをやってる、、、
ぷ、なんかゴージャスぅ!!
宿は300円、メシは50円みたいな生活してんのに、
もう気分がゴージャスだからさ~、
ビールのつまみに、
メシより高けぇミックスナッツ頼んじゃった。
帰りには、格好付けてさ、
チップみたいな感じでおつりも置いてきたけど、、、
きっと明日になれば50円のメシを45円に値切るんだろうな(笑)
宿に戻ると、
ルームメイトのナフも丁度戻ってきた。
「Dai, what will you do tomorrow ?」
「アイ ゴー 『バーモ』。 アンド ユー?」
「Me too. How do you go ?」
「メイビー、、、ピックアップトラック。アンド ユー?」
「Hitch-hike !!」
「ヒッチハイク!? おぉ~、クール!! ハウ ナイス!!」
格好良いな、、、
俺もやってみよっかな、、、
いや、でもやっぱ怖ぇな、、、。
いや、でもおもしろそう、、、。
いや、でも、、、
つづく
お、車来た、、、
どうしよ、えっと、、、
どのタイミングで手挙げよう、、、
あ、なんか目あった、、、
うわっ、気まずっ、、、
あぁ~、行っちゃった、、、。
次の町「バーモ」を目指すんでさ、
初のヒッチハイクに挑戦してんだけど、、、
どうもビビッちまってて、、、
車が停まってくれないどころか、手も挙げらんねぇ(笑)
はぁ、、、だめだ、勇気が出ねぇ、、、
ナフの方はもう捕まったかなぁ~、、、。
数百m先では、
アメリカ人のナフがヒッチハイクをしてる筈なんだけど、
もしかしたらもう既に誰かを捕まえて、
「バーモ」に向かってるかもしんねぇ。
だって、「ヒッチハイクとかした事あんの?」 って聞いたらさ、
「Almost !!(移動時はほぼ毎回)」とか言ってたからなぁ、、、
慣れてんだろうしなぁ。
ナフとはここ「ミッチーナ」に来る電車の中で会ってさ、
安くなるからっつ~ことで、部屋をシェアしてたんよ。
そんで、「バーモ」に行くタイミングがたまたま一緒だったから、
一緒に宿をチェックアウトして、最初はヒッチハイクも一緒にしてたんよ。
でも、「2人だと難しいかもね」っつ~事で、離れたんだよね。
俺は2人の方が良かったし、自信あったんだけどさ、
どう説明していいかわかんなくて、、、
だってアメリカ人って
「猿岩石」知らないじゃん(笑)
まぁ実際は、俺ヒッチなんてした事ねぇから、
マジで捕まんねぇの俺のせいかもって思ってさ、
離れた方が気楽っちゃあ気楽だったんだけどね。
でも気楽になったからって勇気がでるわけじゃ無ぇじゃん?
だから、時間ばっかり過ぎてくよね。
2~30分くらい、マジで何もできないでいるとさ、
さすがにこれはダサすぎるって思って、、、
「なんにせよ、バーモの行き方わかんねぇんだから、ヒッチするしか無ぇんだ」
っつってなんとか勇気を出して、手を挙げるようにしたんよ。
でもさ、人間そう簡単に変われないよね。
車が近付いてきてさ、一応手挙げてんだけど、
ドライバーと目があった瞬間、、、
目逸らして
伸びとかしちゃうよね、、、。
ぅ~んんんっ、、、あぁ~、太陽気持ち良い~!! みたいな(笑)
あ~だめだ、、、
やっぱヒッチハイクなんてできる気がしねぇ、、、
どうしよ?
マジでそう思ったんだけどさ、なんだろうね?
なんだかんだ、なんとかなっちゃうもんだね。
ちょっとしたら「ピンウーリン」の時みてぇにピックアップトラックが来てさ、
試しに「バーモ?」って聞いたら、「バーモ、バーモ!!」つって、
どうやら本当に「バーモ」行きらしいんよ。
うぉ~、超~ラッキ~!!
「ブッラウレ~?(いくら?)」
「4000kyat(約300円)」
「3000?」
「No !! 4000 !!」
「ははは(笑) OK~ !!」
まぁ一応軽く値切ってはみるけどねぇ、、、
倍の値段でも乗るよね。笑
いやぁ~、どうなっかなって思ったけど、
なんとか「バーモ」に行ける事になってホッとしたわ。
今回は、ばっちり座席もあるし、天気も良いし、こりゃ快適だ~!!
安心したら一服したくなってさ、
吸っていいか聞いたらOKっつ~から、
端っこの席で、葉巻を吸いながら景色を楽しんでたんよ。
そしたら、先の方で歩いてるナフの背中が見えたの。
お!?まだいたんだ。
「お~い!!ナフ~!!」
荷台でお金を集めてる気の良いお兄さんに、
「マイフレンド!!」 って伝えると、ナフの横で停めてくれた。
「ハ~イ、ナフ~!!」
俺がナフに呼び掛けると、気の良いお兄さんも横から、
「You go バーモ? Come on please, Sir !!」
っつって呼び掛けてくれた。
「English ? a little.」って言ってたお兄さんが、
分かる範囲で丁寧に喋ろうとしてるのを聞いてさ、
なんかいいな~って思ってたんよ。
相手を立てる姿勢っつ~の?
ほら、今まで行ったとこでは、そういうの見かけなかったからさ。
そしたらナフの奴、、、
「Dai. How much you paid ?(お前いくら払った?)」
「4000kyat だよ!!」
「OK !! 3000kyat. OK ?」
「No~,4000kyat. Your friend 4000kyat. Everybody same !! OK Sir ?」
まぁ、俺もそうだったけど、とりあえず値切るよね。
だけどさ、数百m手前で俺が4000kyatで乗っちゃってるからねぇ。
それに、旅行してるとよく吹っ掛けられんだけどさ、
雰囲気的には、本当にみんな4000kyatで乗ってるような気がするんだよね。
お兄さんも優しくて良い感じのお兄さんだし。
なのにナフの奴、、、
「No~!! 3000kyat !! OK ? 3000,,, 3000,,, 」
うわっ、こいつ超粘りだした、、、
もうめっちゃ粘るんよ。
何回言っても、「No !!」って言われてんのにさ~、
むしろ逆ギレしてんの。
俺も、
「ナフ、アイ シンク グッド プライス。(十分安いと思うよ)」
って言ったんだけどさ、
「I don't think so !!(んなことねぇ)」だってさ(苦笑)
もうめちゃくちゃ揉めてんのよ。
運転手まで降りて来てさ、
「もうこいつは乗せないでいいよ!!」
って感じにまでなっちゃってっからね。
しかもさ、俺が「マイフレンド」って言って停めてもらったじゃん?
マジ超気まじぃ~よ(笑)
優しいお兄さんもさすがに怒ってさ、
「Your friend no good !!」だって、、、。
「ははは、、、 アイム ソーリー、、、。」
ってなんで俺が謝ってんだよ!?
もう完全にみんな怒ってさ、
ナフを置いて発車したんよ。
そしたらナフの奴、、、
車の前に割って入って車を停めてさ、、、
えぇ~、、、
トラックが急ブレーキで停まって、
運転手のおっちゃんが窓から怒鳴りつける。
そしたらナフの奴、、、
窓に3000kyatを投げ入れる、、、
なに? なに?
荷台に飛び乗って俺の隣に、、、
ちょっと、、、ナフ君、、、
「OK !! Thank you !! Let's GO~!! Fu~♪♪
「Fu~♪♪」じゃねぇよ!?
あぁ、、、なんて奴と友達になっちまったんだ、、、。
周りの視線が痛すぎる、、、。
ナフの驚きの行動にさ、周りも呆れ果てたよね。
もうみんなあきらめてさ、そのまま出発したもん。
俺が超気まずい思いでいんのに、
平気な顔をして俺の隣に座ってるナフ、、、
強者っつ~か、なんというか、、、
ず太ぇ野郎だわ(笑)
しばらく走ると、こっちは晴れてるのに、
向こうで大雨が降っているのがハッキリ見えた。
雨の境界をここまでハッキリ見たのは初めてかもしんねぇ。
みんなで協力して、走ってるトラックの荷台にブルーシートを被せる。
被せたとほぼ同時に大雨になった。
ザァー!!
外が見えないで、
トラックの揺れと雨の音を感じる。
昔、遊園地でこんな乗り物乗ったなぁ、、、
大雨さんありがとう。
少し気まずさが緩和されました。
約7時間後、
気まずさを乗り越え、無事に「バーモ」に到着。
きっとさ、、、
ヒッチハイクの方が気楽だったよね(笑)
まったくナフの奴、、、
つづく