2019.06.26

伝説の旅日記「おもしろそうだからやってみよ。」57th Try 〜 60th Try

【伝説の旅日記を公開】

若かりし頃にアジア1人旅をしたダイスケは、旅の後、『そうだ、旅の経験を文章にして、たくさんの人に読んでもらおう』と思い立つ。時代を読むセンスがあればブログを書いていたと思うのだが、スーパーアナログ人間ダイスケは、『そうだ、電車の中で読んでもらおう♫』と、書いた旅日記を印刷し、駅で配るという行動に出る。『アジア1人旅、旅日記を書いています。よろしければ読んでみてください!!』と駅前で声を張り上げ、4年という期間(旅は1年ちょっとなのに)をかけ、意地で書ききった当時の自分を、僕は今、、、あまり思い出したくない(笑)

【 過去記事はこちら 】

1st Try 〜 4th Try 

5th Try 〜 8th Try

9th Try 〜 12th Try 

13rd Try 〜 16th Try

17th Try 〜 20th Try 

21st Try 〜 24th Try

25th Try 〜 28th Try 

・29th Try 〜 32nd Try

33rd Try 〜 36th Try

37th Try 〜 40th Try

41st Try 〜 44th Try

45th Try 〜 48th Try

49th Try 〜 52nd Try

・53rd Try 〜 56th Try

 

 

57th Try

 

木枠の窓から差し込むオレンジ色の日差しに目が覚めた、、、

 

 

あれ? ここどこ?

 

 

少しの間混乱した。

 

 

ふと、隣のベッドを見ると、白人のお兄さんが寝ている。

 

 

え? え~っと、、、

 

 

あ、そうか。

 

 

 

2回目の旅行に出てもうすぐ4ヶ月。

朝起きると、たまに自分がどこにいるのか分からなくなる。

でも、その時の目覚めは決まって気分が良いんだ。

 

だって、、、

 

そうだ、俺、今海外にいるんだ!!

 

って改めて実感できるから。

 

 

なんつ~お洒落な展開は全く無く、

一瞬焦って普通に起きたよね。

 

そうそう、ただ寝ぼけただけっつ~話よ。

 

まぁ、そんなのはどうでもいいやね。

 

 

 

 

昨日出会って、

この「西当」っつ~村まで一緒に来た

南アフリカ人ファミリーと香港夫婦。

 

彼らと一緒に飯を食い、出発の準備をした。

 

中国にいて、朝から英語の会話をしながら朝飯を食うっつ~のも、

なかなか新鮮で悪くない。

 

まぁ、会話っつっても、

「ユア カントリー ワールドカップね、ナイス!!」

程度のもんだけど。

 

今、俺が彼らと目指してるのは、

中国雲南省の山奥、「雨崩(ユーベン)」って村。

 

昨日から1泊2日で山道を歩いて目指してる。

 

ここまでいろんな場所に拒まれてきたけど、

今日、やっと目的地に行く事が、、、

 

 

できる~

うおっしゃぁ~!!

 

 

いざ、出発!!って時に、

南アフリカ人ファミリーの案内役でもある

香港夫婦が話しかけてきたんよ。

 

英語だからさ、ちょっと何言ってるかわかんねぇんだけど、

最後の方はなんとか聞き取れた。

 

「You want horse ? (馬いる?)」 って。

 

昨日、南アフリカファミリーのばあちゃんが、

膝が痛いっつって、途中から馬借りてたけど、

まぁ、自分は歩くの好きだし、体調も万全だから、

 

「No problem !!」 って感じ。

 

香港夫婦:「 OK !! Please wait. (ちょっと待ってて。)」

 

 

 

約15分後、

安い中国煙草を吸ってたら、

向こうから馬がやってくるのが見えた。

 

ん? なんかやけにいっぱい来んな~、、、

 

他の奴も馬使うのかなぁ?

 

 

、、、ん?

 

 

人数分-1頭の馬が揃った。

 

 

あら?そういう感じ?

みんな、お馬さんでパカパカしちゃう系っすか?

 

 

一緒に行くのに、俺だけ、、、

 

「とほ」 っすか?

 

「とほほ」じゃないっすか!?

 

 

一行は、

9人+馬9頭+馬の世話人9人+俺、

の大所帯で歩き始めた。

 

素晴らしい自然の香りと景色の中、

山道をパカパカするみんなは大はしゃぎ。

 

「OH~ オシリ イタイワ~!!」

 

的な感じで盛り上がってやがる。

 

 

その中、一人の日本人、、、

英語がわからないばっかりに、、、

それなのにわかったふりして

「No problem !!」とか言っちゃったばっかりに、、、

 

 

完全に専属カメラマンになっちまってる、、、。

 

 

馬一頭分高い所から見える景色はいかがですか?

まったく、楽しそうな顔しやがって、、、

 

楽しいかい?

写真撮られて嬉しいかい?

 

はぁ~、俺もおしり痛くなりてぇなぁ、、、

 

 

卑屈な気分で、スタートから3時間の上り坂、

俺は必死に馬のケツを見続けた。

 

 

坂を上り切って、休憩している時、

南アフリカファミリーの一人が、

 

「We go back to 西当, How about you ?(うちら戻るけど、おまえどうする?)」

 

は?戻るの? 

あ~、、、そう。

俺は、、、行きますよ。

 

「I go 雨崩 」

 

なんかあっけねぇな(笑)

 

 

 

日程の都合か、体力の都合か、

イングリッシュだから詳しくはわかんねぇけど、

とにかく彼らはここから帰るらしい。

 

「Thank you DAISUKE. It was so nice time. Have a good trip !!」

「Thank you too. Good luck !!」

 

 

ハグや握手でそう挨拶を交わし、

お互い逆の方向に進んで行った。

 

彼らの「Thank you !!」は

きっと俺がたくさんの写真を撮ってあげた事に、、、

俺の「Good luck !! 」は彼らのケツに、、、

 

 

俺って性格悪いですか?笑

 

 

 

一人になってさぁ、なんか急に寂しいよね。

 

歩いてても、周りには人の気配も無いし、

自然の音だけになっちまった、、、。

 

持ってた地図見たら、

「雨崩」まであと半分くらいみたいなんだけどさ、

アバウト過ぎて信用ならねぇんだわ。

 

やべぇな、不安君まで襲って来ちゃったよ。

 

まぁ、でも、しょうがねぇからさ、

「私自然超好きです。あ~癒される~。」

モードに切り替えてさ、

 

木漏れ日に目を細めちゃったりなんかして、

鼻歌の1万倍位の声で

「ヨードレヒヒ~♪♪」とか歌ちゃったりなんかして、

 

マジで超無理やりテンション上げて歩いたよね。

 

たいして上がんないけどね(笑)

 

 

 

しばらく行ったら、

超山ん中なのにさ、売店らしき小屋を発見したんよ。

 

っつっても、

カップラーメンが何個かと、

賞味期限確認必須のお菓子的な何かが

何個か置いてあるだけなんだけどさ。

 

まぁでも、

人の気配すらほとんど無い山の中で、

売店があるだけで奇跡だよね。

 

よし、腹減った。メシ食お~!!

 

 

薄暗い小屋の中で昼寝してる、

上半身裸のおっちゃんに声をかけてみた。

 

中国語で「メシある?」って聞いたらさ、

おっちゃんが案の定カップラーメンを手にとったんよ。

 

でも、小屋の中に鍋が見えてさ、

別にカップラーメンで良かったんだけど、

試しに「チャーハン」っつってみたら、

超ご機嫌にOKしてくれたんよね。

 

最初は寝起きで不機嫌そうだったのに、

「チャーハン」頼んだら、なんか急に仲良くなっちゃってさ~、

通じないながらも、ずっと喋りながら作ってくれたんだよね。

 

たぶん、もともと飯を出してくれるような店じゃないから、

具は卵だけの質素なチャーハンなんだけど、

スープまで作ってくれてさ~、

 

も~腹も超減ってたし、

何よりもその優しさに「僕は感動しました!!」 ね。

 

 

いやぁ~、おっちゃん、

手際いいね~!! さっすが中国人!!

 

 

ご飯、卵、塩だけのチャーハン。

水、卵、ネギのスープ。 全っ然OKです!!

 

 

でもさ~、おっちゃん、

 

その材料でさ~、なんでこれ、、、

 

 

 

両方とも真っ黒なんですか?

 

 

完全に鍋が色落ちしちゃった感じのチャーハンとスープ。

でもさ、こんなに優しく、俺の無茶振りを聞いてくれたんだもん。

 

有り難く、

 

いっただっきま~す!!

 

 

 

あれ?

うまいじゃん?

 

 

 

おっちゃ~ん、美味いよ!!

ハオチ~だよ!!

 

 

 

腹も満たされ、

絶好調で歩くこと数時間、、、

 

ついに「雨崩」に到着した。

 

 

ちなみにその夜は、

「ゲリラ豪雨を伴う腹崩れ」でした。

 

 

つづく

 

 

58th Try

 

今日はひたすら森の中を歩いている。

 

黒いチャーハン食って、

中国人のおっちゃんと絡んでさ、

ちょっとテンション上がってたんだけどね、景色は正直飽きたな。

 

木ばっかりだし(笑)

 

まぁ、道はほとんどが緩い下りで助かってっけど。

 

そんな感じで歩くこと数時間、

ずっと頭上を覆っていた木が途切れ、明るい日向に出た。

 

目の前に現れたのはド迫力の雪山。

突然変わった目の前の光景。

 

その迫力に、

一人でいることから来る怖さと、

一人でこんな場所に来ちゃってるっつ~、

数ヶ月前では想像もできない現実への喜びとで、

不思議な気分になった。

 

 

不思議な気分になって数分、

山際の道に出ると、前が完全に開けた。

 

正面に見える山の頂上付近は、まだ雪を被っている。

 

その頂上から一筋の雪の線が下に向かって走り、

 

川に変わっていくのがわかる。

その川に沿って目線を下げていくと、そこに小さな村があった。

 

 

雨崩だ、、、

 

 

中国雲南省北部の山の中、

「雨崩(ユーベン)」という小さな村に辿り着いた。

 

 

俺が人に自慢するのを目的に目指していたこの村は、

山間にできた小さな平地に、

田んぼや畑に囲まれた数件の住居があるだけの、緑に囲まれた村。

 

 

まさしく、

「古き良き日本を思わせる場所」

って言う人がいそうな感じの場所。

 

 

俺は、、、

 

「あ、村だ。小っちゃ!?」って思った(笑)

 

 

 

俺さ~、今、マジ猛烈に気分良いんだわ。

 

だって、ガイドブックにも頼らねぇで、

写真でだって見た事無ぇ、完璧未知の場所にさ、

一人で来ることができちゃったわけよ。

 

この村の存在も、途中で出会った中国人さんから聞いたしさ、

ここって、初めて俺が日本人さんに全く頼らないで来た場所なんよ。

 

 

やばくね?

俺、完璧に一人旅しちゃってんじゃん!!

 

 

しかも、これまた、ここ、、、

 

 

旅行者の気配が無いんですけど~♪♪

 

なんか秘境っぽいんですけど~♪♪

 

穴場っすか!? 穴場なんすかぁ~!?

 

 

 

うっわ、マジここすんげぇわ~。

旅行者いないとことか初めてだわ~。

 

下手したらここ来た旅行者って俺が初めてじゃね?

やべぇ、テレビにインタビューされちまうんじゃね?

 

どうしよ~有名になっちまうじゃねぇかぁ~♪♪♪

 

 

「オッホン、、、

 えぇ、見つけた時は私も驚きました。

 地上の楽園は本当にあったんだってね。」

 

 

妄想がピークに達する頃、

まだ探し始めてもいねぇのに、宿らしき家を発見。

 

 

あっちゃぁ~、宿あった~、

俺が初めてじゃ無い事確定~!!

 

 

テレビ出演消えた~!!

 

でも寝る場所みっけ~!!

なんか楽しい~♪♪♪

 

 

建物の敷地に入って行くと、

2階で掃除をしているチベット人のおばちゃんを見つけた。

 

テンションが上がっているせいか、

覚えた中国語がバンッバン出てくる。

 

「すいませ~ん、泊まりたいんっすけど~!!」

 

ちゃんと通じたみたいで、

おばちゃんは掃除をしている手を止めて、

笑顔で快く部屋に案内してくれた。

 

 

案内された部屋は、

ベッドがあるだけの小さな部屋だったけど、

 

扉も壁もベッドも全部が木で、

掃除も行き届いてて、なかなか雰囲気の良い部屋だった。

 

鍵は手で壊せそうな、

ちゃっちぃ南京錠だったけど(笑)

 

 

重たい荷物を宿に置いて、

散歩に出ると、1時間くらいで村を一周できた。

 

 

マジ超のどかでさ~、

 

家の数からして、人口100人もいないっぽいし、

馬とか放牧されちゃってるし、

稲とか超緑だし、綺麗な小川も流れちゃってるし。

 

 

たまに見かける村人さんも、

俺のアフロ見て一瞬ギョっとする以外は超優しそうな顔してるし、

なんかここ超ほっとするんですけど~。

 

 

すぐそこに見える雪山は格好いいし、

旅行者も少ないし、、、

 

これはもうねぇ、秘境ですよ。

 

「秘境初級」って感じ。

 

 

初級っつったって、

「秘境」って呼ぶにはそれなりに条件があるんだよ。

 

1、旅行者が少ない 

これは当然だね。みんな知ってたら「秘」じゃないもんね。

 

2、車で来れない

やっぱねぇ、秘境は徒歩でしょ!!

 

3、ビールが売って無い 

探したけど無かったぁ~、お菓子は売ってたのに。

 

 

お菓子も無けりゃ「中級」でもよかったね。

 

 

 

宿に戻って、

おばちゃんに「メシある?」って聞いたら、

 

「おいでおいで~!!」って感じで、

宿の隣の自分ん家の方に入れてくれてさ、晩飯作ってくれたんよ。

 

家の中は薄暗くて、電気なんかなくてさ、

まだ明るい外の明かりが窓から入ってくるだけなの。

 

暖炉があって、

ファンキーな毛皮的な物が壁に掛っててさ、

 

なんつ~のかな?

山に暮らしてる民族の家って感じなんだよね~。

 

 

中にはおっちゃんがいてさ、

一緒に「ツァイ」っつ~ミルクティー的なやつ飲みながら、

片言の中国語で話して、

 

言葉が通じて「おぉ~っ」っつって盛り上がったり、

通じなすぎて「ギャハハハ」っつって笑ったり。

 

 

どんなだったか忘れたけど、

超家庭的な感じの晩飯がでてきて、

3人で同じメシ食ってさ~、

 

なんか父ちゃんと母ちゃんみたいな、

家族な気分だったね~。

 

 

なんか超幸せ感じちった。

 

 

また、部屋の窓から見える夕焼けがお洒落でさ~、

オレンジに染まっていく雲、そして雪山、、、

 

なんか窓っつ~より、

壁に掛ってる絵みたいな感じなんよ。

 

 

やべぇ、

自慢話がてんこ盛りになっていく~!!

 

 

この時期、

夜の8時くらいまで明るいこの村も、

おっちゃん、おばちゃんと話してたらあっという間に暗くなった。

 

疲れもあってか、眠くなっちまったからさ、

「晩安(おやすみ)!!」

っつって、部屋に戻ろうとすると、

 

おばちゃんがロウソクの入ったランプと、

ポットに入れたお湯を渡してくれた。

 

この辺全部がそうかはわかんねぇけど、

電気が無くてさ、それがまたいい感じなんだよね。

 

部屋に戻って、

もらったお湯と持ってたお茶っ葉でお茶入れてさ、

ランプの明かりの中で、日記書きながら煙草吸って、

 

なんか超素敵な夜だわ。

 

 

超ビビリの俺がさ、

こんな所でこんな夜を過ごしてるなんて、、、

 

 

 

 

やっぱ人生おもしれぇわ。

 

 

 

さて、眠みぃし、

明日は行きたいとこもあっからな、寝るか。

 

 

 

一酸化炭素中毒も怖ぇ~しな。

 

 

 

 

気持ちよく眠りに着いて数時間、、、

 

 

ぎゅるるるる、、、

 

ぬぅぁ~!?

 

 

これは、、、

 

下痢じゃぁぁあ!!

 

 

うわぁぁぁああ!?

 

 

真っ暗で

何も見えねぇぇぇええ!?

 

 

 

電気

引いとけ

やぁぁぁあああ!!

 

 

 

南京錠ぉぉおおお!!!

 

 

 

必死に懐中電灯を探り当て、

南京錠をこじ開け、離れのトイレに駆け込みました。

 

懐中電灯でのトイレ、しかも激しい下痢、、、

 

あんな切ない夜は初めてでした。

 

やっぱ食うもんじゃないね、、、

 

黒いチャーハン。

 

 

 

つづく

 

 

59th Try

すぐそこに雪山があるだけあって、

やっぱ朝は寒みぃ。

 

布団から出て上着を羽織ると、

昨日の夜もらったお湯でコーヒーを入れた。

 

興坪(シンピン)で

林さんが持たしてくれた日本のドリップ式コーヒー。

 

空気がおいしいとかキレイとか、

東京でも空気が汚いって感じた事の無い俺にはよくわかんねぇけど、

寒いのに窓を開けたくなるのは、

身体がそう感じてるってことなのかな。

 

実際、外の空気に当たりながら、

日本のコーヒー飲んで、中国煙草吸って、

 

「はい、日中友好!!」

 

とか思いながら、

村の景色をぼんやり眺めるのは、マジで気持ちよかった。

 

一日中こうやってボーっとしてるのも悪くねぇかも。

 

俺はしないけどね(笑)

 

 

昨晩の、激しく、そして切ない下痢は、

ラッキーな事に治まっていた。

 

海外に出て来て4ヶ月弱、

俺の胃腸くんも着々とレベルを上げていってる感じだね。

 

持ってきていた袋のインスタントラーメンを出して口を開け、

調味料を入れる。

 

お湯漏れ防止に、

既に空いている袋を重ねて、中に直接お湯を入れる。

 

「必殺、袋のまんまラーメン戦法」

 

も慣れたもんよ。

 

ちなみに残ったお湯では水筒にお茶を作った。

 

 

やべぇ、、、完璧だ、超旅人っぽい。

 

 

朝メシも食ったし、準備もOK!!

さぁ、歯磨いたら出発だ。

 

 

 

今日の目的地は

超アバウトな地図に書いてある「冰湖」と「神爆」。

 

この2ヶ所がどんなところなのかは、、、

 

知らん!! 

まぁ行ってみるべ。

 

 

たまたま外で掃除をしていた宿のおばちゃんに、

「おはよ~!! 昨日はさんきゅ~ね~」って言いがてら、

 

「冰湖」と「神爆」の事を聞いてみたらさ、

どっちも今いるこの「雨崩(ユーベン)」って村から

3時間くらいのところらしいんよ。

 

だから、おばちゃんは

「今から冰湖に行くなら、神爆は明日行きなさい」

って言うんだけど、、、

 

俺、歩くの早いし、、、大丈夫っしょ!!

 

 

っつ~ことで、

とりあえず冰湖に向かって歩き出した。

 

 

いやぁ~、それにしても、、、

俺、中国語結構イケてんなぁ。

 

 

なんて思いながら歩いて行くと、いきなりド山道に入った。

頭上は木が覆い被さってて空も見えない。

道は進むにつれて湿った落ち葉でいっぱいになって、、、

 

 

けもの道

 ↓

見辛いけど、これ道ですよね?

 ↓

とりあえず歩ける所歩くか。

 

 

だめだ!!わかんねぇ!!

 

 

って思う頃にまた道らしきものが見えて、

とりあえずそこを行ってみての繰り返し。

 

森に入ったころから、たぶんだけど、

村の方に流れていってるっぽい、川の音がずっと聞こえててさ、

迷ったら川を目印に戻ればいいべって、

そんな感じで適当に歩いてたんよ。

 

 

そしたらさ~、、、

 

本当俺ってすごいわ~、

てきと~なのに道あってんだもん。

 

ついに森を抜けちまいましてねぇ~、

 

「よっしゃぁ~!!富士の樹海攻略~って富士ちゃうがなぁ~!!」

 

なんて一人芝居してたら、、、

 

雪山さんがドーン!! 

 

目の前にどーん!!ですよ。

 

 

ここまで来ると道もはっきりしてさ、

ペースが上がる上がる。

 

 

あっという間に「なんちゃら山のベースキャンプ」

とかいう謎の場所に着いてさ、

そこを超えると、、、

 

、、、。

 

 

なんじゃここは!? 

 

 

 

これが冰湖か、、、

 

 

 

 

 

 

白黒の世界じゃねぇか。

 

 

 

そこが冰湖ってわかったってことは、

たぶん書いてあったかなんかだと思うんだけどさ、

なんかすげぇの。

 

白黒写真の中に入っちゃったみたいな感じなの。

 

湖っつ~より小っちぇ池みたいな感じなんだけど、

周りが灰色の石でさ、池の奥が山の壁になってて。

 

上を見たら2~3mも積もった雪がこっちに迫り出ちゃってて、

いつ崩れて来てもおかしくなくてさ、

 

崩れてきたであろう雪と土が混ざった奴が、

池の向こうに山みたく積もってんの、、、

 

 

 

 

ここやばい、、、

早く逃げないと死ぬ、、、

 

 

マジで思って、周り見渡したら、、、

 

 

石が積んである。

塔みてぇに、、、。

しかも至る所に、、、。

 

 

これって、、、

あの、三途の川の、、、

 

 

「賽の河原」ですか?

 

 

 

 

うわぁ~!?

 

やべぇところに来ちまった。

早く帰らなければ~!!

 

 

あ~、、、でも一応写真を、、、

パシャッ!!パシャッ!!

 

 

タイマーでも、、、

パシャッ!!パシャッ!!

 

 

 

よし、逃げよう。

 

 

 

 

滞在時間約5分。

マジでビビっちまって、超早歩きで帰った。

 

森の中に入って、薄暗さが不気味すぎて、

しかも適当に来た道がわかんなくなって、、、

 

 

 

勘弁してぇぇえ!!

 

まだ

 

三途の川は

 

渡りたく

 

ないっ

 

すぅ~!!

 

 

 

無我夢中に山を下って行ったら、

行きの半分くらいの時間で「雨崩」に着いた。

 

 

宿に戻ったらまだお昼過ぎでさ、

おばちゃんが、「もう帰ってきたの?早!?」みたいな感じなの。

 

 

疑ってるっぽいからさ、

写真見せたら超褒められちった。

 

「1日で冰湖と神爆両方行くなんて、あんた強いね~!!」

 

 

 

そう?普通でしょ!!

 

 

 

怖かったってとこはハショって(笑)、

「すげぇ良かったぁ~」っつってさ、

 

当然のように、

「んじゃぁ、神爆行ってくるわ~」っつって神爆に向かった。

 

 

神爆への道はすげぇ分かりやすくてさ、

観光客にも何人か会った。

 

みんな中国人さんでさ、

外国人が自分だけだと思うとちょっと誇らしいよね(笑)

 

途中、何度か立ちションしながら、

2~3時間歩くと「神爆」に着いた。

 

 

なんかねぇ、

滝が一個の崖から2本落ちてきてんの。

 

これがまたすげぇ~んだよ。

 

滝の真下まで行けるんだけど、

水しぶきが広がってさぁ、

その向こうに太陽が見えるわけ。

 

ホント超きれいでさぁ~、

 

飽きるまで7~8分は

かかったんじゃねぇかな。

 

 

 

帰り道、

夜まで時間に余裕があったからさ、

行きにも気になってた綺麗な川の河原に下りてみたんよ。

 

 

そしたらさ、、、

 

目を疑ったね。

 

 

さっきの冰湖とは

比べ物になんねぇ数の石が積まれた塔。

 

 

しかも、急に太陽が隠れて小雨が降ってきた、、、。

 

やばいわ、、、

 

この村やばいわ。

 

周りが、、、

 

 

 

「賽の河原」だらけじゃねぇか!?

 

 

うん、

明日、この村から、、、

 

逃げよう

 

 

つづく

 

 

60th Try

pipipi pipipi pipipi 、、、

真っ暗な部屋に目覚ましが響いた。

 

日本から持ってきたCASIOのアラーム時計は、

相変わらずいい音で鳴りやがる。

 

pipipi pipipi pipipi 、、、

枕元に置いといた懐中電灯を点け、

 

pipipi pipipi 、、、

わざと布団から出ないと手の届かない所に置いた目覚ましを

 

pipipi pipipi カチャ、

 

止めた。

 

 

 

おかげでバッチリ起きれたよ。

さんきゅ、カシオ時計。

 

ロウソクにライターで火を点け、

昨日の夜から蓋を開けて冷ましておいた

ポットのぬるいお湯で、水筒にお茶を作った。

 

残りのお湯は1ℓのペットボトルに入れる。

こぼさないように、慎重に。

 

、、、トプトプ、、、トプトプ、、、

 

pipipi pipipi 、、、

 

スヌーズ機能、、、

 

タイミング悪りぃ、、、

 

 

トプトプ、、、pipipi 、

トプトプ、、、pipipi pipipi 、、、

 

 

うっせぇな!!

起きてるわ、このクソ時計が!!

 

 

 

飲み水もOK、荷物もまとめた、、、

よし、行くべ!!

 

 

今日はこの中国雲南省の山奥の村、

「雨崩」から「徳鎮」っつ~町に戻る。

 

1泊2日で来た、行きの道とは別のルート。

 

このアバウトな地図ではちょっと不安だし、

1日で歩ける距離なのかわかんねぇけど、

ずっと川沿いの道っぽいし、、、

 

まぁ、なんとかなんべ!!

 

 

AM 6:00 出発!!

 

まだ薄暗い中、

宿のおばちゃんに鍵を返し、

挨拶をして行こうとすると、、、

 

「待一下!!(ちょっと待ってて)」

 

そう言っておばちゃんは、大きなケツを揺らして、

歩くより遅い小走りで家の中に入って行った。

 

戻ってきたおばちゃんの手にはでっけぇパンが2枚。

「お腹空いたら食べなさい(だと思う)」って渡してくれた。

 

 

おばちゃ~ん(泣泣泣) 

謝謝~!!

 

 

優しすぎる、、、

素敵すぎる、、、

 

 

おばちゃんに会えて、、、俺、

 

本当良かったっす!!

 

 

 

 

でも、、、

 

 

あの、、、

 

 

袋かなんかあります?

 

 

あ、ない? 

 

 

うん、、、 大丈夫。

 

 

リュックの中にあった、決してキレイとは言えない、

てか汚ぇくしゃくしゃのビニール袋にパンを入れ、

パンを裸でくれるおばちゃんに手を振りながら歩き出した。

 

 

「上雨」と「下雨」に別れたこの小さな村「雨崩」。

宿のある「上雨」から「下雨」に下りていく。

 

少し行くと、「下雨」を流れる小川が見えた。

まずはあれに沿って歩く。

 

「崖崩れ」に始まった「雨崩」への旅。

「腹崩れ」もあり、「雪崩」の恐怖も体験した。

 

でも、「計画崩れ」になる事も無く、

本当に素敵な時間を過ごせたと思う。

 

さらば!! 雨崩!! 

 

 

 

また会う日ま、、、

 

 

もう来ねぇか。

 

 

 

小川に沿ってと言っても嘘にはならないと思う感じで、

川の流れる方に進んで行くと、目の前に流れの急な川が現れた。

 

小川はその川に合流し、俺はその川を右手に見ながら歩いた。

上りはほとんど無く、ラッキーな事に分かれ道も無い。

 

朝の涼しさも手伝って、何より歩いてて気持ちが良い!!

こりゃぁ、先が分かんねぇ分、時間を稼いでおくしかねぇな。

 

必殺!! 超早歩き(小走り交じり)!!

 

 

てくてく てくてく たったった、、、

この川なかなかワイルドだなぁ~

 

 

たったった てくてく ったった てく、、、

うぉ、リアル一本橋!! 怖ぇ~

 

 

てくてく、、、

うわぁ、水しぶきが、、、

 

 

たったった、、、

あ、また橋だ、、、

 

 

てくてく、、、

お、畑? なんか村っぽい!?

 

 

てく、、、てくて、、、て、、、

ぐぅ~、、、

 

 

はぅ!?

 

 

1時間半以上は歩いた。

きっと相当な距離を歩いたはず。

 

人の気配すら無い森の中の川沿いを、

案の定、誰にも会わず、、、

 

 

なぜ今なんじゃぁ!?

 

 

森が中断し、ビニールの掛った畑がたくさんある。

家も数件、、、。

 

 

結構中に入って来ちまったけど、、、

どうする、、、

5分位戻れば安心してできる。

 

いや、しかし、

旅は人生そのものだ。

後戻りなんかできるはずが無ぇ。

 

 

大丈夫、

とりあえずこの村を抜けて、、、

 

 

 

んはぅ!?

 

 

なんだ、このいきなりの大波は!?

 

 

 

日本で幾多の修羅場をくぐり抜けてきたじゃないか。

遅刻ギリギリの満員電車の中での津波。

トラック運転中のガソリンスタンドまでの15分間の大地震 etc,,,

 

 

今度だって、、、

耐えられるはず、、、じゃ、、、

 

 

だめだ、

あの木の陰しかねぇ!!

 

 

 

 

bububu bububu 、、、

 

 

 

 

 

ふぅ~、、、危なかった。

 

 

ってこの木、低!?

 

顔が全然隠れて無ぇじゃねぇか!?

 

 

 

頼む、誰も来るなよ~、頼むよ~、、、

 

、、、

 

 

 

 

はぁ~❤️

スッキリしたぁ。

 

 

 

ウンは出たけど、

人が出てこなくてマジ助かったぜ。

 

さ、行くべ。

 

 

村?を抜け、またひたすら歩く。

すると、道と川の距離がだんだん開いていく。

 

川はどんどん下の方へいく。

道は森を抜け、、、崖に出た。

 

さっきの川は、崖の遥か下の方で、更に大きな川に合流した。

目の前が開き、拡がる景色は圧巻!!

 

でも、俺の右側は、

超断崖絶壁!!

 

落ちたら下まで1分位かかりそう。

 

 

そして左側は山壁。

壁と崖の間、道幅は、、、身長くらいかな。

 

 

これは、やばい、、、

 

 

 

よし、一旦落ち着こう。

とりあえず今日初めての休憩をする事にした。

 

お茶を飲みながら、おばちゃんが持たしてくれたパンを食い、

煙草を吸って落ち着いた。

 

怖さに負けない為に、

 

「望むところだ!!」

 

叫びながら崖に向かって立ちションもかましてやった。

 

ギリギリまで行けなくて、

ほとんどが道の上に振り撒かれたけど、、、。

 

 

 

ずっと壁ギリギリを歩いている。

 

数年前に克服したはずの高所恐怖症が再発してきやがった。

 

そんな俺をあざ笑うかのように道幅は狭くなっていく。

 

 

マジ怖ぇ。

 

 

 

 

しばらくすると、

前の方に何かがいるのが見えた。

 

 

ヤギ!?

 

 

数頭のヤギ、

そして、その脇で休憩している2人のチベット人の女の子。

 

「こんにちは」 

「どこに行くの?」

「どっから来たの?」 

「これで道合ってる?」

 

簡単なやりとりだけど、

中国語で話をしている自分、、、

 

格好良すぎる

 

 

「雨崩」を出て約4時間。

初めて人に会い、束の間の楽しい時間を過ごし、

道が合ってることも分かった。

 

ちなみに彼女たちは、

俺が目指すゴールの手前にある「西当」

という村から「雨崩」に向かっているらしい。

 

 

そうか、そうだったのか、、、。

 

 

行きの道が観光客ルート。

この道が地元民ルートっつ~事か。

 

 

ふっふっふ、

ただでさえあまり知られていない「雨崩」。

 

俺は地元民ルートまで発見しちまったのか。

 

 

また、、、

また自慢話が

 

 

増えちまったじゃないかぁ!!

 

 

 

あぁ、早く日本人に会って自慢してぇ。

「雨崩ってとこ知ってます?」っつって(笑)

 

 

 

テンションMAX復活じゃぁ~!!

いくぜぇ~!!

 

 

 

てくてく、、、

 

てくてく、、、

 

てくてく、、、

 

てくてく、、、

 

てくてく、、、

 

てくてく、、、

 

 

ちょっと待った。

 

おかしいおかしい。

 

あそこ

 

 

「道崩れ」

ちゃってんじゃん!?

 

 

 

え?

 

ヤギ2、3匹落ちてんじゃねぇの!?

 

ジャンプ?   

 

ジャンプなの???

 

 

 

 

 

つづく

 

 

この記事をかいた人

ダイスケ

クロスロードのなんでもおじさん。クロスロード愛が強すぎてボランティアスタッフとして居座っている。 書道家という一面も持ち、世界の路上で2万人を超える人たちに日本語でお名前を書き、プレゼントしてきた。好きな言葉は迷ったらGO。