2019.10.16

伝説の旅日記「おもしろそうだからやってみよ。」125th Try 〜 128th Try

【伝説の旅日記を公開】

若かりし頃にアジア1人旅をしたダイスケは、旅の後、『そうだ、旅の経験を文章にして、たくさんの人に読んでもらおう』と思い立つ。時代を読むセンスがあればブログを書いていたと思うのだが、スーパーアナログ人間ダイスケは、『そうだ、電車の中で読んでもらおう♫』と、書いた旅日記を印刷し、駅で配るという行動に出る。『アジア1人旅、旅日記を書いています。よろしければ読んでみてください!!』と駅前で声を張り上げ、4年という期間(旅は1年ちょっとなのに)をかけ、意地で書ききった当時の自分を、僕は今、、、あまり思い出したくない(笑)

【 過去記事はこちら 】

1st Try 〜 4th Try 

5th Try 〜 8th Try

9th Try 〜 12th Try 

13rd Try 〜 16th Try

17th Try 〜 20th Try 

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・109th Try 〜 112th Try

・113th Try 〜 116th Try

・117th Try 〜 120th Try

・121st Try 〜 124th Try

 

 

 

125th Try

 

いぇ~い!!

恋したぁぁぁああああ!!

 

 

 

そうそうこれこれ~!!

 

「旅の途中、恋に落ちました。」

 

みたいなの。

 

やっぱこういうのもないとね~。

 

 

いやぁ~しかし、

 

そっかぁ~、

 

う~ん、

 

うふふふ、、、

 

 

 

マエン バホット クーシュー フーン 

(めっちゃ幸せ)

 

 

 

 

 

いやぁ、しかしびっくりだなぁ。

 

いやね、俺別に、

「もう恋なんてしない」なんて思ってた訳じゃねぇんだけど、

女友達がみんな魅力的で良い人だから、全員好きでさ、

誰が1番とかわかんねぇ~って思ってたんよね。

 

ある意味みんなに恋してるっつ~の?

 

だから、誰とか無く、

どの女友達に彼氏ができても複雑な気分になったし。

 

でも違ったみたい。

 

だって、、、

 

 

 

特別な人現れた~

 

 

 

 

 

 

宿に戻ると、

ば~やがくれた手紙を読みながらニヤニヤ。

 

嬉しい事にパスポート用の顔写真まで貼ってくれてる。

 

はい、これ宝物扱い決定!!

 

 

 

好きって気付いてから、改めて写真を見ると、、、

 

かわいいなぁ~

 

 

さっき別れたばっかりだけど、、、

 

メールしちゃおっかな

 

 

 

この日から、

たまにするば~やとのメールのやりとりが楽しみになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡って、、、  

 

1ヶ月のヒンドゥー語レッスンは卒業したけど、

ヒンドゥー語の勉強は続けてる。

 

というのも、

少し前からマーチさんにヒンドゥー語を教えるようになったんよ。

 

教えるっつっても、

自分が教わった事をそのまま伝えるだけだけどね。

 

もともとマーチさんがきっかけで習い始めたのに、

自分がマーチさんに教えるっつ~のもなんか変な感じだけど、

自分にとってもいい復習になるし、

お互いに得してる感じかな。

 

 

毎日っつ~訳じゃ無く、

お互いの都合の良い日に勉強。

 

2日連続の時もあれば、

3日ぶりの時もあれば。

 

なんにせよ、

マーチさんと会う機会が多くてさ、

その分たくさん話すんだけど、マーチさん、、、

 

 

まぁおもしれぇ。

まぁ凄ぇ。

 

 

 

インドに6ヶ月いて、

ビザが切れたらネパール。

 

またインドのビザを取ってインド。

 

 

そんな感じでもうこの辺りに3年くらいいるマーチさん。

バラナシでも顔が広いのなんの。

 

旅行者とかインド人さんはもちろん、

いろんなサドゥさんとも仲良くて、びっくり。

 

サドゥさんから、

「サドゥになれ。」ってマジで誘われてるとか、、、。

 

 

 

 

――――――――――――――

 

 

 

「サドゥ」って、、、(詳しくはわかんねぇ。もしなら調べてみて。)

俺の印象だけで言うと、ヒンドゥーの修行僧?

 

ガンガー沿いに行けば必ずいらっしゃるんだけど、

見た目はまさに仙人。

 

すごい色々で、

ちょっとお洒落なサドゥさんから、全裸のサドゥさんまでいる。

 

チラッと調べたとこから言葉を借りると、

 

「自己を極限まで追い込み、全ての観念が消え去ったサマーディという意識状態を目指す人」

 

っつ~感じらしい。

 

 

―――――――――――――

 

 

 

そんなマーチさんの話がまぁおもしれぇの。

 

テラスがめちゃくちゃ気持ち良いカフェがあって、

だいたいそこで勉強すんだけどさ、

始める前とか、終わった後に、

 

「聞いてよ~」

 

っつって始まる話が、何気に毎回の楽しみなんよ。

 

「 この間さ~、

 『○○ババ(サドゥさんの名前)』とお茶してたのね。

 そしたら蜂が飛んできたの。 ブ~ンって。

 

 でさ、ヒンドゥーだと黄色って

 神様を表す色みたいな感覚があるのよ。

 

 でね、

 ブ~ンって飛んできた蜂がテーブルに止まったの。

 

 そしたら、○○ババが、

 「あ、神だ。」って蜂にタッチしたの。」

 

 

「えぇ~!? 『あ、神だ。』って、、、蜂が黄色だから??? ぷぷ笑」

 

 

「 いや、それがさ~、

 それもおもしろいんだけど、、、

 また昨日も○○ババとお茶してたのさ。

 

 そしたらさ、

 また前みたいに蜂がブ~ンって飛んできたの。

 そしたらどうしたと思う?

 

 ○○ババの奴、、、

 グチャって踏みつぶしちゃったの。

 

 超ひどくない???

 

 でね、『だめだよ~、そんなことしちゃ。かわいそうじゃん!!』

って言ったら、○○ババの奴、なんて言ったと思う?」

 

 

「あ~、もうお腹痛い。わかんないっす。なんすか?笑」

 

 

「 ほんと信じられないよ!?

 

 ○○ババの奴、とぼけた顔して、

 

 『だって刺すじゃん。』

 

 だって。 もう超最悪でしょ~笑」

 

 

「 あは、あははは、、、

 マーチさん、苦しいっす、、、ぷぷぁははは!!」

 

 

 

 

そんな感じで普通聞けないような話を

たくさんしてくれてさ~、もう超楽しい。

 

夜になると、今度は俺がその話を、

ビールを飲みながら他の人に話すっつ~ね。

 

そんな感じで

マーチさんがサドゥさんと仲良いじゃん?

 

で、俺もよくマーチさんと一緒にいるじゃん?

 

そしたら、

いつの間にか顔見知りになってて、、、

 

俺も当たり前のように

サドゥさんと挨拶するようになってた(笑)

 

 

 

 

 

マーチさんと仲良くなれた事で

良かった事がもう一つ。

 

これはでかい!!

 

サイババに会いに行くのが俺の目的じゃん。

 

でも、23歳の俺がサイババに会いに行くには、

25歳以上の付き添いが必要っつ~事を知ったんよ。

 

だから、現地に着くまでに、

25歳以上のパートナーを探さなきゃな~って思ってた矢先、、、

 

 

「大ちゃんサイババ行くんでしょ?

 あたしもちょっと今年は

 サイババ会いに行こうと思ってるの。」

 

 

 

 

まじっすか!?

 

 

 

っつ~事で、

あっさりパートナーが見つかった。

 

 

マーチさんは、

もうすぐロシア人で超年下の彼氏と合流するらしく、

その後の流れで向かうっつ~事だから、

自分も合わせる事にした。

 

 

つっても、

バラナシで待ってる訳じゃなくて、

 

俺は俺で動いて、

サイババさんに会いに行く時に現地近くで合流すればいいからね。

 

 

 

実は、このところ

「マザーハウス」が気になってんの。

 

だから、俺は先にコルカタに行って、しばらくの間、

「マザーハウス」でボランティアをしてみようと思ってるんよ。

 

 

いや、なんか最近さ、あの心霊写真。

 

あれって遺体じゃなくて、

マザーテレサの服じゃね?っつ~気がしてんだよね。

 

だとすると、

今はサイババじゃなくて、

 

 

「マザーハウス」が俺を呼んでるっぽくね?

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

126th Try

 

理由も無く、

なんとなく壊れたデジカメを取り出し、電源を入れた。

 

本来電源を入れると、

レンズが前に出て液晶が点くんだけど、

やっぱり、「ガツッ、ガツッ、、、」っと、

出るはずのレンズが何かに引っかかってる感じで前に出ない。

 

 

気付いたら治ってたりして、、、

 

なんて楽観的に思ってた部分もあったけど、

そうはいかなかったみたいだ。

 

ただ、写す事はできないけど、再生ボタンを押すと、

データに入っている画像を再生する事はできるようだった。

 

 

再生ボタンを押すと、

見覚えの無い画像が表示された。

 

 

なんだ???

 

ま、いっか。

 

 

 

横ボタンを押して表示された次の画像は、

なんの変哲もない、確かに自分が撮った覚えのある写真だった。

 

更に横ボタンを押していくと、写真が次々と出てくる。

 

久し振りに撮った写真を見返してると、

なんだかすごく懐かしく感じて楽しかった。

 

 

最初の画像に戻ったところで手を止めた。

 

やっぱりその写真には見覚えが無ぇ。

 

気付かない内にシャッター押しちゃったのかなぁ?

 

 

 

 

あ、、、

 

液晶の端に表示された、

写真が写された日時に目が行った。

 

 

あれ、カメラ壊れたのって、、、

 

 

 

えぇ、何これ? 

どういうこと???

 

 

 

 

そこには、

 

デジカメが壊れてから約2週間後の日付

 

が表示されてた。

 

 

 

 

何の写真だろう?

水中っぽい?

 

画面の約半分は、

深い緑色の植物のような物の集まりに見えた。

 

水草?

 

画像の右端半分くらいのところから、

左下にかけては、

その水草のようなものを覆うように、

白い布のようなものがハッキリ写ってる。

 

そして、その布のようなものの端には青い線が3本通ってる。

 

 

 

心霊写真だ、、、。

 

 

 

最初はマジでそう思った。

 

水中は、ガンガーの川底を、

白い布は遺体をくるむ布を連想させた。

 

毎日、遺体の流されるガンガー沿いにあるバラナシでは、

そう理解するのが自然に思えた。

 

 

 

でも、それはすぐに変わった。

 

白い布に青い線っつ~のが、

なんだか見覚えがあるような気がした。

 

 

 

なんだっけ、これ?

 

え~っと、、、

 

あっ、

マザーテレサ、、、

 

 

 

よく知らねぇけど、あの人が着てた服、、、

 

白に青い線じゃなかったっけ???

 

 

 

この時から、

なんか意識しちゃって、

 

マザーテレサと、

コルカタにあるという彼女が創ったマザーハウス

でのボランティアについて、色々と考えるようになった。

 

ボランティアについては、

今まで色んな人から色んな話を聞いたけど、

人によって賛否両論ある。

 

けど、どの意見も

「確かに。」と思う部分があるから難しい。

 

・マザーハウスでのボランティアは貴重な体験。

 色々な事を考えさせられる。

 

・マザーハウスは寄付金が集まって金持ち。

 困ってる人は他にたくさんいる。

 

・マザーテレサの意志を継いだ

 シスターたちから学ぶことがたくさんある。

 

・高い旅費払ってインドでボランティアって、、、

 自分の国でやれよ。

 

・色んな施設がある中、

 施設によって人気不人気があるのってどうなの?

 

・物乞いは無視で、

 寝床やご飯が保証されてる人の手伝いするって矛盾じゃね?

 

・施設の中で倒れてれば病人。施設の外だと浮浪者。

 

・あそこで学んで、

 その精神を持ちかえって、今後生かしていけばいい。

 

 

 

 

う~ん、、、

 

ただ頭で考えるより、

とりあえず行ってみる。

 

それが自分が一番納得がいく方法だと確信していながら、

決心がつかなかった。

 

マザーハウスに入所してる人の中には、

重症の人も多く、亡くなる人も少なくない。

 

正直、

人の死を目の当たりにするのが、怖かった。

 

自分が関わった人が死んでしまうかもしれない事を考えると

尚更だった。

 

けど、、、

 

 

 

迷ったらGO!!

 

 

それは、今や自分にとって好きな言葉から

破る事の出来ないルールになっていた。

 

GOしないでした後悔は取り返しがつかねぇって事を、

思い知ってきたから。

 

 

 

行こう。

 

 

 

 

バラナシに来て1ヶ月半。

コルカタに向かう事にした。

 

 

 

早速、

コルカタ行きの列車のチケットを買う為、

排気ガスと砂ぼこりだらけの道を、

暑い中50分かけて歩き、駅に行った。

 

久し振りの旅チックな行動で、なんだか気持ちが高ぶる。

 

駅にはツーリスト専用のチケット売り場があるんだけど、

なんかファンキーな感じになりたくて、

インド人さん達の行列に並んだ。

 

待っている間、

頭の中で使えるヒンドゥー語を必死に整理する。

 

自分の順番が来て、、、

 

「あさって 私は コルカタに 行きたい、、、 」

 

たどたどしくて、何度も聞き返したりしたけど、

なんとか会話になったと思う。

 

俺の解釈が間違って無ければ、

 

この窓口で売ってるチケットは当日券だから、

出発当日に買いに来い

 

っつ~事だと思う。

 

 

 

ふ~ん、じゃぁ、、、帰ろう。

 

 

チケットは出発当日に買う事にして、

また50分かけて戻りブラブラしてると、

ガンガー沿いで、マーチさんに会った。

 

 

そこで、また奇跡的な出会いが、、、。

 

 

 

 

ガンガー沿いの階段に座って、

マーチさんの

 

「ガンガー飲んできた。」

 

とかいうおもしろ話を聞いていると、

よく見かける韓国人のおっちゃんが前を通った。

 

自分は喋った事ないけど、

そのおっちゃんとマーチさんが知り合いだったらしく、

チャイを飲みながら、しばらくの間一緒に話した。

 

流れで、自分がコルカタに行くっつ~事を言うと、

おっちゃんが聞いてきた。

 

「What will you do in KOLKATA ?(コルカタで何するの?)」

 

しばらくの間、マザーハウスでボランティアしてみようと思ってる

っつ~事を伝えると、おっちゃんが急に熱くなって語りだした。

 

「 なんでみんなコルカタなんだ?

 コルカタはたくさんのツーリストがいて

 十分なボランティアがいるじゃないか。

 ここでは全然足りてないのに。

 今日なんか3人しか来てなかった。

 WHY ??? I don't know !! 」

 

 

 

ん?こっち???

 

 

 

聞くと、マザーハウスはバラナシにもあって、

コルカタに比べると規模も小さく、

あまり知られていないせいか、

ボランティアも足りない日が多いらしい。

 

 

 

そうなんすか!?

 

 

 

あっ、でも、もうチケット買っちゃ、、、 

 

 

 

 

ってねぇんだった。笑

 

 

 

 

超ナイスタイミングだな。

 

これも巡り会わせなのかな、、、

 

 

 

あっ!?

 

ガンガー沿いのマザーハウス、、、

 

ガンガー、マザー、、、

 

 

 

そういうこと?

 

 

 

 

あの写真。

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

127th Try

 

まだみんなが寝息をたてる中、

目覚ましのアラームを鳴った瞬間に止め、

静かに起きて支度をした。

 

汚れてもいい服装は、、、   

 

どれでも一緒か。

 

もう洗濯しても汚れてるような服しか持ってねぇや。

 

う~ん、俺、、、どうなの?

 

ま、いっか。

 

約束の時間になり、部屋の外に出ると、

丁度ば~やも下りてきたとこだった。

 

 

「 沖縄離島めぐりのはずが、

 台風で那覇行きすら飛ばずキャンセル、、、

 富士登山も台風直撃で中止、、、

 好きなキャンプに行けば雨、風、雪まで、、、

 これで明日も朝陽見れなかったらヘコむよね、、、」

 

 

前夜、

ば~やが超雨女だっつ~事を聞いてた俺は、

外に出て思わず爆笑した。

 

100m先も見えないくらいの超濃霧。

 

1ヶ月半バラナシにいるけど、こんなのは初めてだった。

 

ガンガーも石造りの建物も、

超幻想的で、これはこれでいいんだけど、、、

 

 

どんだけっすか!?笑

 

 

 

 

明日バラナシを出るば~やだけど、

誘うと快く一緒に来てくれた。

 

ば~やにも色んな思いがあったみたいだけど、

「とりあえず行ってみる」

っつ~事に賛同してくれたらしい。

 

相変わらずビビりの俺だから、

一緒に来てくれるだけでありがてぇんだけど、

笑わしてくれたおかげで、大分緊張がほぐれた。

 

 

そして、初めてのマザーハウスへ、、、

 

 

 

ここでは、部屋が男女で別れているらしく、

俺は男性の部屋へ、ば~やは女性の部屋へ案内された。

 

ある朝、いきなり知らない奴が現れて、

身の回りの手伝いをしようとするのだから

当たり前かもしれないけど、

薄暗い部屋の中で自分に向けられた多くの視線の中に、

好意は全く感じられなかった。

 

その瞬間、正直「帰りてぇ」って思った。

 

 

そんなつもりは無かったけど、

実際来てみるまで、

感謝されて当たり前のように思ってた部分があったのかもしれない。

 

身体の弱い人達の身の回りのお世話や、

掃除や洗濯をして、

 

「ありがとう」

 

って笑顔を向けてくれる人がいて、、、

 

 

どこかでそんなほのぼのとした

空間を想像していたのかもしれない。

 

でも、現実は、

そんな空想とは似ても似つかなかった。

 

 

 

既に朝食を食べ終えていた彼らの最初の仕事は、

洗濯らしかった。

 

でも、俺に与えられる仕事は、、、

 

 

無い。

 

 

身体のしっかりしているおっちゃん2~3人が指揮をとって、

洗う人と干す人に別れ、動ける人達みんなで洗濯をする。

 

大きなタライの中に洗剤と洗濯物を入れ、

足で踏んで大まかに洗う。

 

それを外に出すと、

一枚一枚石の床を使ってこすったり叩いたりしながら洗う。

 

それらをまた大きなタライですすぐ。

 

それが何度も繰り返される。

 

 

足が悪い人でも、

すすいだ洗濯物を詰め込んだ重いバケツを持って、

足を引きずりながら階段を上り、屋上に干しに行く。

 

動けない人も、その間子供の面倒をみたり、

邪魔にならないようにしている。

 

手順を間違えたり、サボったりしていれば当然怒られ、

手が出る事も少なくない。

 

そんな様子を見ていると、、、

 

 

もとからボランティアなんて

当てにしてないような印象を受けた。

 

 

 

案内されたのは、部屋に行くまでだけで、

それ以降は何の指示も一切出ず、

まったくどうしていいかわからなかった。

 

 

手伝う為というよりも、

何もしていないのが、すごくバツが悪くて、

目の前で始まった洗濯の輪に恐る恐る入っていった。

 

 

結局この日は、洗濯をし、掃除をし、屋上で子供と遊び、

ここで働いてるおばちゃん達とチャパティを作って終わった。

 

洗濯や掃除の時は

自分の仕事を探すのに必死だった。

 

手持無沙汰が怖くて。

 

屋上で子供と遊んでいる時は、

いつまで遊んでていいのか気が気じゃなかった。

 

本当はもう下に下りて、

何かをやらなきゃいけないんじゃないだろうか?

 

キッチン的な場所にボランティアが集まり、

話しながら昼食のチャパティを作っている時は正直ホッとした。

 

ホッとしながら、

ホッとしてる自分に腹が立ち、

頭も心もぐっちゃぐちゃだった。

 

 

 

 

俺は何をしにきたんだろう?

 

 

 

 

 

「 あそこはせっかく来てくれた

 ボランティアを大切にするべきだよ。

 シスターまでこっちから聞いても

 『 他の人に聞いて 』 なんて。

 あれじゃぁせっかくボランティアが来ても、

 自分がいる意味がわかんなくて来なくなっちゃう。

 最初くらいは何をしたらいいか教えてあげないと。

 ボランティアだって、いないよりは絶対いた方がいいのに。」

 

 

 

 

 

ば~やと宿に帰る途中、

頭がぐちゃぐちゃすぎて、

ただ自分が何もできなかった事をストレスに感じてるだけなのに、

知った風な事をもっともらしく語っちまった。

 

たぶんば~やも大分困ったと思う。

 

 

あぁ、格好悪りぃ、、、。

 

 

 

 

 

 

 

その夜は、送別会を兼ねて、

ば~やと2人で飲みに行った。

 

乾杯してしばらく話していると、

マザーハウスの話になった。

 

 

納得いかない部分はまだまだあるものの、

時間が経ったおかげで、頭のぐちゃぐちゃも大分治まり、

俺もだんだんと冷静に考えられるようになってきた。

 

ば~やも俺の話をただ聞いてくれるだけじゃなくて、

いろんな意見や感想を言ってくれた。

 

おかげで、はっきりとした事が1つ決まった。

 

 

なんにせよ、

しばらく通ってみます。

 

 

この時、そう思えた事が、3週間マザーハウスに通い、

良い時間を過ごす事が出来た一番の要因だったかもしれない。

 

 

 

2日目は、ば~やとバイバイして、

恋の病で心ここにあらず状態だったけど、

 

3日目からは、

また色んな葛藤や辛さを感じながらも、なんとか毎日通った。

 

最初はとにかくやれる事をやった。

そして毎日の流れを覚えた。

 

最初は手持無沙汰を無くす為に、

人の仕事を奪ってるくらいの感じだったかもしれない。

 

でも、それに気付くと、そうならないように心がけ、

空いた時間は他に出来る事を探した。

 

覚えた仕事は率先してするようにした。

 

やる事が見つからない時は、

ヒンドゥー語で何をしたらいいか聞いてみた。

 

伝わらなくても、

無視されても、

めげずに聞いてみた。

 

 

そうすると、

だんだんと周りが自分の事を気にかけてくれはじめた。

 

 

 

更に通うと、朝の

 

「ナマステー!!」

 

って挨拶に返事が返ってくるようになり、

 

帰る時には、

 

「フェル ミレーンゲー!!」(また明日!!)

 

って挨拶し合うのが当たり前になっていった。

 

 

気付くと、30分早く来るように頼まれ、

朝の食事の手伝いをしてる自分がいた。

 

 

「ダイ~、パニ、パニ!!」

(だいすけ~、水くれ、水~!!)

 

 

 

通う事で、

 

続ける事で変わる事は、

 

確かにあった。

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

128th Try

 

いつものように、通常よりも30分早くマザーハウスに行くと、

いつもと様子が違っていた。

 

原因はすぐに知らされた。

 

今朝、1人が亡くなったらしい。

 

 

 

 

それは、

マザーハウスでボランティアをする上で、

自分が一番恐れていた事だった。

 

 

 

 

空いてるベッドの前で思い出す。

 

ここにいたのはどんな人だったか。

 

なかなか思い出せなかったけど、しばらくして、

昨日の朝、俺にメシのおかわりを懇願してきた人だと思いだした。

 

 

その時、

みんなを仕切ってるおっちゃんから、「NO」と言われ、

彼のカップに水だけ注いで、俺はその場を離れた。

 

 

 

その後、昼飯は食えたのだろうか?

 

晩飯は食えたのだろうか?

 

あの時、おかわりできていたら何か変わっていたのだろうか、、、

 

 

 

 

彼の遺体は、既に白い布にくるまれていて、

もう彼の顔を見る事はできなかった。

 

みんなが彼の死を肯定的に捉えているらしかったのが救いで、

恐れていたようにショックで押しつぶされるような事はなかった。

 

でも、すごく複雑な気持ちだった。

 

そんな事を考えても仕方が無いのはわかっていても、

「もっと何か、、、」 って。

 

 

 

 

 

 

この日、いつものように洗濯、掃除などを終えると、

少し居残って、彼の遺体を運ぶ為の台を作る手伝いをした。

 

そして、手を合わせてその場を後にした。

 

宿に帰る間、

そして帰ってからも色んな事を考えた。

 

 

 

彼はこの後、焼かれて灰になり、

ガンガーに流されるのだろうか?

 

 

 

聞けば分かる事だったけど、

聞きたくないような気もして聞かなかった。

 

亡くなった彼にとって一番の幸せは、

焼かれて灰になり、ガンガーに流される事なのだろう。

 

ただ、それにはそれなりの薪代が掛かる。

 

世界中から集まる寄付金で薪代を出すのだろうか。

 

それとも、寄付金は生きてる人達の為に使われ、

彼は質素に、そのままガンガーに流されるのか。

 

どっちがいいのか俺にはわからねぇ。

 

どっちの答えを聞いても、

「それってどうなの? 」って思ってしまう気がする。

 

 

マザーハウスでボランティアをする事も似ている。

 

実際やってよかったと思うし、

続けてよかったと思ってる。

 

ただ、葛藤はず~っと消えず、毎日感じている。

 

外を歩くと、

多くの物乞いさんに会うけど、俺はその横を素通りする。

 

彼らがマザーハウスにいれば、

食事を届け、水を注ぎ、優しい言葉を掛けるのかもしれない。

 

きっとあの人達の誰かが亡くなっても気付きもしないが、

もしマザーハウスで亡くなれば、

 

「もっと何かできたんじゃないか、、、」

 

と複雑な気持ちになるんだろう。

 

 

本当に矛盾だらけで嫌になる。

考えれば考えるほどわかんねぇ。

 

 

 

だけど、考えないよりはマシだと

自分を納得させるのが精一杯だった。

 

 

 

 

死を考えるのが嫌で、

「生と死」について目を向けてこなかったけど、

いつの間にか考えるようになってる。

 

これが「バラナシ」っつ~場所なのかな?

 

 

 

なんとなく気付いてきてはいる。

 

「バラナシ」だからということではなく、

いつかは向き合わなければいけない事なのかもしれない。

 

きっとその度に答えなんか出なくて、

だからといっていつまでも引きずっているわけにもいかなくて。

 

 

 

ま、いいや。

 

おちゃらけて前を向くのが、今の自分の精一杯らしい。

 

 

 

 

 

あっ!?

 

 

 

 

宿の受付に懐かしい後ろ姿を発見して、

後ろからそっと近付いて目隠しをした。

 

そしたらビクッ!?って驚いたそいつが振り返ると、

どん引きした顔になった。

 

 

 

「、、、だいちゃん? 」

 

 

 

 

いたのは、俺の旅のスタート、

ベトナムのホーチミンで出会い、

マンガ喫茶に連れて行ってもらって、

一緒に日本のマンガに夢中になったさよちゃんだった。

 

 

約10ヶ月振りの再会。

 

さよちゃんの見た目は特に変わってないように見えたけど、

俺の変化は著しかったらしく、どん引きするには十分だったらしい。

 

 

色んな毛が伸び放題になり、

前歯は半分になり、

あらゆる所がヨレヨレになって、

肌の黒さは尋常じゃ無ぇ。

 

 

こんな自分、とっくに慣れちゃってたけど、

確かに冷静に考えたら、今の俺って、、、

 

 

 

 

あんまり人に話しかけちゃだめかも。

 

 

 

 

 

さよちゃんとは、

マンガ喫茶に行った以外は、

1~2回メシ食ったくらいで、

そんなに多くの時間を過ごしたっつ~訳じゃないんだけど、

 

同い年っつ~事もあってか、

なんか懐かしい男友達に会ったような感覚だった。

 

 

 

約束してっつ~事はほとんど無かったけど、

会えば一緒に散歩したり、メシ食ったり飲みに行ったりした。

 

お互いよくブラブラしてたから、

ちょくちょく会って一緒に喋ってた。

 

 

旅人同士ってなんか熱くなりがちだけど、

さよちゃんだと、真面目な話も逸れて結局馬鹿話になっちまう。

 

おかげで、しょっちゅう爆笑してた。

 

 

 

それを考えると、

マザーハウスでの葛藤やストレスでパンクしないでいれるのは、

さよちゃんのおかげかもな。

 

考え込むのは嫌いじゃねぇけど、

なんせ疲れっから。

 

気も使わず、

一緒に爆笑できるさよちゃんがいてくれてマジ良かった。

 

 

感謝。

 

 

 

 

人という字は人と人とが支え合って、、、

 

いつも支えられる側でおいしいけど、

 

たまには支える側もやんねぇと、、、笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マザーハウスでのボランティアにも慣れてきて、

気持ちに余裕ができてきた。

 

相変わらず葛藤はあるんだけど、

ここのところ、それ以上に

マザーテレサへの尊敬の気持ちが募りまくってハンパ無ぇ。

 

あまりに尊敬しすぎて、、、

 

 

 

この前、

珍しく朝早くから物売りらしきお兄さんに絡まれた。

 

実際どういう生活をしているのか知らないけど、

彼はお世辞にも綺麗な格好とは言えず、

 

彼のような人達を無視してマザーハウスに通う事は、

俺の葛藤の一つだった。

 

なかなか強引に足止めしてくるから、

心苦しくも「マザーハウスに行かなきゃいけないんだ。」と言うと、

彼がスッと道を開けた。

 

そして、帰ってきた答えに衝撃を受けた。

 

 

 

 

 

「Thank you very much.」

 

 

 

 

 

 

 

 

あまりに予想外の言葉で、

なんかどう反応していいかわかんなくてさ、

 

そのままマザーハウスに行っちゃったんだけど、

それ以来、頭の中が嬉しい混乱。

 

 

言葉の真意はわからないけど、

マザーハウスで俺がボランティアをする事は、

彼にとって、なんの関係もないはず。

 

なのに、あの言葉を聞けるのは、

なんかきっと超素敵な事だよね?

 

で、マザーテレサがいかに

いろんな人から感謝されてるかっつ~事でもあるよね?

 

っつ~か、

もしかしてマザーテレサって、超最高な人?

 

 

 

そうだよな、実際コルカタのマザーハウスだって、

モチベーションや考え方はどうあれ、

ボランティアがたくさんいる事によって、

入所者の人達が助かっている事は確か。

 

常に世界中からボランティアが集まる場所を作っちゃうなんて、

超すげぇじゃん。

 

この間まで何も知らなかった俺にまでこんなに影響を、、、

 

 

 

マザー、、、

 

 

あぁ、何だこの気持ち。

 

 

やばい。

 

 

なんか、、、 

 

 

 

 

 

ライバル心が。

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

この記事をかいた人

ダイスケ

クロスロードのなんでもおじさん。クロスロード愛が強すぎてボランティアスタッフとして居座っている。 書道家という一面も持ち、世界の路上で2万人を超える人たちに日本語でお名前を書き、プレゼントしてきた。好きな言葉は迷ったらGO。