【伝説の旅日記を公開】
若かりし頃にアジア1人旅をしたダイスケは、旅の後、『そうだ、旅の経験を文章にして、たくさんの人に読んでもらおう』と思い立つ。時代を読むセンスがあればブログを書いていたと思うのだが、スーパーアナログ人間ダイスケは、『そうだ、電車の中で読んでもらおう♫』と、書いた旅日記を印刷し、駅で配るという行動に出る。『アジア1人旅、旅日記を書いています。よろしければ読んでみてください!!』と駅前で声を張り上げ、4年という期間(旅は1年ちょっとなのに)をかけ、意地で書ききった当時の自分を、僕は今、、、あまり思い出したくない(笑)
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ヒマラヤが超大迫力で見える「ポカラ」。
この素敵な場所で素敵な毎日を過ごすはずが、
初日からゲリラに襲われて、身体も心も大ダメージを食らった。
それでも、たくさんの正露丸さんや、
再会した旅人さん達のおかげで、身体も心も復活した。
そんな「ポカラ」をバスで出発し、国境の町「スノウリ」へ。
この国境を越えれば、、、
とりあえず日本を出て、
どこに行くか、どこまで行くか、どれくらい行くか、、、
他は何も決めてなかったけど、
唯一最初から絶対に行くって決めていたこの地。
日本を出発して9ヶ月、 ようやく、、、
インドだぁぁあ!!
国境を越えたらインドだった。
来た事も無ぇし、 インドのイメージもたいして持って無ぇ。
だけど、なんか、
なんかわかんねぇけどインドなの。
何が違ぇっつ~のはうまく表現できねぇんだけど、
数分前までいたネパールとは全く雰囲気が違ぇの。
商店街的な通りの中にある、
人が並んでなければ絶対にイミグレーションとは思わねぇような場所で入国審査を終えると、
ドキドキ ビクビク ワクワク。
何とも言えねぇ不思議な気持ちで、
とりあえずその通りを歩いてみる事にした。
特に当ても無く、辺りをキョロキョロしながらしばらく行くと、
バスが停まってるのを見つけたんよ。
で、運転手らしき人にどこに行くのか聞いてみたら、
「ゴーラクプル」っつ~とこにいくらしいの。
とりあえず俺は「バラナシ」っつ~とこに行きてぇんだけどさ、
どうやって行っていいかわかんねぇから、
「ゴーラクプル」に列車の駅があるかどうか聞いてみたんよ。
「Is there train station in ゴーラクプル?」
そしたら運転手さんが首を振ったからさ、
それっぽい英語で、
「I want to go to train station, so where should I go ?」
(列車の駅ってどこ行けばいい?)
って聞いたら、「ゴーラクプル」って言うんよ。
「え?ゴーラクプルって駅あんの?」
そしたら、また運転手さんが首を振るんよ、、、
どっち???
あっ、そっか!?
そう言えばミャンマーで仲良くなった
オランダ人のハインが言ってたわ。
インドの「Yes」は首を振るんだった。
言われてみれば「No」って感じの振り方でも無ぇもんな。
そっか、そういうことか。
っつ~事で、
「ゴーラクプル」に列車の駅がある事が分かったから、
国境の手前で両替したお金でチケットを買って、
バスで「ゴーラクプル」に向かう事にした。
「スノウリ」を出て数時間。
「ゴーラクプル」に着くと、更にインドっぽさが増した。
たくさんの人、自転車タクシー、 車、バイクに混じって、
ウシ、犬、それらのフン。
周りをキョロキョロしながら歩いてると、
何度もウシのフンを踏んづけて滑った。
ヌルッ、、、
うぉっ!?
屋台に入ると、
勇気を出して素手でカレーを食いながら、ボ~っと外を眺める。
あぁ、やっとインドに来たんだなぁ~、、、
この9ヶ月を思うと、なんだか込み上げてくるものが、、、
特に無かった。笑
翌朝、、、
汗で身体がベタベタ。
シャワー浴びてぇけど、 安さで選んだ宿にそんなもんは無ぇ。
持ってる水で、 歯を磨いて顔を洗うくらいしかできなかったけど、
このベタベタした感じもなんだかインドっぽい。
そう思うとそんなに嫌じゃ無くなった。
駅は宿の目の前で、すぐにわかった。
切符売り場も、 遊園地の行列並みに人が集まってたから迷わなかった。
気長に待って、 自分の順番が来ると、
いつも通り 「目的地連呼作戦」。
「バラナシ、バナーラス、バラナスィ、、、」
大分ウザがられたけど、
なんとかチケットを買う事ができた。
よし、順調順調。
少し早めに宿をチェックアウトして、
余裕を持って、列車の出発予定時刻の1時間前に駅に行った。
駅はかなり広くて、ホームがたくさんあった。
買ったチケットを見ても、 自分の乗る列車がどのホームから出発するのかわかんねぇから、
駅員さんっぽい人を捉まえて聞いてみる事にした。
「Excuse me? Which platform is this train? 」
(この列車って何番線っすか?)
すると、あっちだよって指を指して教えてくれた。
見ると、1番のホームらしい。
出発まではまだ時間がある。
メシでも食うか。
「インドはカレーばっかで飽きる」
って誰かが言ってたけど、俺たぶん全然大丈夫だ。
日本でカレーを食う事はほとんど無ぇけど、 インドカレーめっちゃ美味い。
手で食べんのにはまだちょっと抵抗があっけど、
まぁそのうち慣れるだろ。
駅に戻ると、
念の為もう一度確認しておく事にした。
「Excuse me ・・・
確認しといてよかった!!
聞くと「5番か6番」から出発するらしい。
そっちに行ってまた聞いてみた。
「Excuse me? Which platform is this train? 」
「Yes!!」
えっ!? いや、Yesって、、、
そうだ、 ここは誰もが認める超テキトーな国、 インドだった、、、
出発予定時間が迫り、さすがに焦ってきた。
丁度2番ホームに 入ってきた列車に乗ってる人に聞いてみる。
「バラナシ?バナーラス?バラナスィ?」
発音がわかんねぇから、 とにかくいろんな言い方で聞いてみる。
めっちゃ首振ってる けど、これはどっちの意味だ?
Yes? No?
他の乗客さん達にも聞いて回ったら、
どうやらこの列車がバラナシに行くのは間違いないらしい。
ただ、自分の買ったチケットが
この列車のであってんのかどうかがわかんねぇ、、、
どうしよ、、、
えぇい、乗っちゃえ!!
座席というより、 座れる場所があるっつ~くらいの、
適当この上ない車内。
指定席があるようには思えなかったから、
空いてるところに座った。
バラナシまでの数時間、
5cmの隙間に遠慮なく座るファンキーなおばあちゃんがいたくらいで、
特別何も起こらなかったけど、
みんなお互いに気を使わねぇユルい感じは、
わりと居心地が良かった。
ケツは超痛かったけど、
チケットも合ってたみたいだし、、、
超テキトーなインド人さん達だけど、
列車がバラナシに着くと教えてくれた。
アナウンスも無ければ、
字も全く読めねぇから、マジで超助かった。
よかった、 みんなテキトーなだけで 根は良い人達なんだ(笑)
もう夜中だったから、
どうすっかなぁ、、、って思いながら駅を出てみると、
駅前で横になって寝てる人が超いっぱい。
マジかっ!?
って笑った後、自分もそうすることにした。
マジ全てがインドっぽい。
インドに来たんだなぁ、、、
つづく
耳元で音がした気がして目を開けた。
焦点がなかなか合わない。
目の前にあるものが
牛さんの顔
だって気付くまでに何秒かかっただろう。
出そうと思っても絶対出せない声と共に、
やろうと思っても絶対出来ねぇスピードで避けて起き上がった。
寝起きには絶対相応しくない心臓のバクバク具合だったけど、
全くうろたえていない牛さんを見てたら、
馬鹿らしくなってだんだん落ち着いてきた。
そう言えばインドでは
牛さん=神様の乗り物
って聞いた事がある。
そんな神聖な牛さんからの、
キスで「インドへようこそ」の挨拶かな?
5分もすれば、
手の届く位置に牛さんがいるのも慣れてきた。
別に何をされるっつ~訳でも無ぇし、
場所を変えるのもめんどくせぇ。
まだ暗いし、もうひと眠りしよう と寝転がった瞬間、
手の届く位置にいる牛さんのケツから、、、
この牛さんが神聖? 俺は絶対認めねぇ。
途中、引っ越しを余儀なくされたけど、
駅前にしては良く寝れた。
どこも痛くねぇし、疲れも無ぇ。 絶好調。
ポッケを全部触って、
何も無くなってない事を確認すると、
キャンプ用マットを畳んでリュックに縛り付けて、 ゆっくりタバコを吸った。
ふぅ~、、、 とりあえずガンジス川だな。
インドは絶対来るつもりだったから、
日本を出た時に、インドのガイドブックだけは持ってきた。
ただ、日本を出て約9ヶ月。
いろいろあってさ、、、
いざっつ~時んなって、持って無ぇっていう、、、
いつだったか、
これからインドに行くっつ~人がいてさ、
持ってたガイドブックを貸してあげたんよ。
そしたらさ、めっちゃメモってんの。
で、そん時はまだいつインド行くとかなんて決めて無かったし、
ハインから貰った英語のガイドブックも持ってたから、
なんつ~か、 つい格好付けちゃってさ、あげちゃったんだよね。
俺英語のやつあるんでいいっすよ!! みてぇな感じで。
でも、今、その英語のやつ、
一応持ってはいるんだけど、全然見る気になんねぇ。
っつ~か見た方が わかんなくなっちゃいそうだし、、、
っつ~わけで、
右も左もわかんねぇ状態だけど、
それはそれで楽しいかんね。
とりあえず、 「ガンガ―どっち?」作戦 で歩いて行く事にした。
ガイドブックはほとんど読んでねぇけど、
俺だって一応いろんな人と出会って飲んで話してっからね。
ガイドブックなんか無くたって、
知ってる事はちょいちょいある。
まぁ飲みながら話してっから、 記憶が曖昧な事ばっかだけど(笑)
とりあえず、ガンジス川は
「ガンジスリバー」よりも「ガンガ―」の方が通じる。
ガンガー。
さすが聖なる川だね。
知らなくても勘で教えようとする 超テキトーなインド人さん達だけど、
さすがにみんな知ってるみたいでちゃんと教えてくれた。
距離があって、 かなり時間は掛かったけど、
ほとんど迷うことなく着いた。
玄関から声を掛けられて、
川を目の前にした高台にあるゲストハウスを覗いてみた。
値段の割にかなり雰囲気が良くて、 何より部屋からの眺めが超最高。
ほぼ決定モードになってたんだけどさ、
バラナシって旅行者がめっちゃたくさんいるって聞いてたのに、
まだそれらしい人にほとんど会ってねぇの。
それが気になって、 宿の従業員のおっちゃんに聞いてみた。
「○×ゲストハウスって知ってる?」
ネパールで会った、
超スーパーミラクルハイパーインド好きのマーチさん。
インドで半年間過ごしたらネパールに行って、
またインドのビザを取ってインド。
そんな生活を3年近くしてるらしいファンキーなおばちゃん。
そのマーチさんがさ、
「バラナシではずっと○×ゲストハウスに泊まってるから、遊びにおいで」
って言ってくれてたのを思い出したんよ。
そこに泊まるつもりは無ぇんだけど、
日本人旅行者の集まる宿らしいし、 どの辺にあるのか知りたくて聞いてみたんよ。
高台でちょうど街を見下ろせる窓から、
「あの金色の寺の辺りだよ。」
なるほどね、、、
遠っ!?
どうやら、観光客が集まる場所より
大分上流に着いちゃってたみたい。
穴場を見つけた感じがして、
ありな気もしたけど、 とりあえず、
そっちの方に行ってから決める事にした。
まぁ、戻ってくるような距離じゃ無ぇけど、、、
迷ったら川沿いに出ちゃえばいいやって思って、
方向感覚だけで歩いて行くと、
だんだん賑やかになって、 人混みがめっちゃ激しくなった。
商店街っつ~表現であってんのかな?
色んな店が並ぶ細い道に溢れる人。
でっけぇ荷物を背負って
人混みをかき分けて行くのが申し訳ないような、
人が多すぎてウザってぇような、 インドっぽくて楽しいような、、、
でもまだ外国人の姿は見当たらない。
もうしばらく歩くと、割と広い道に出た。
歩行者、車、バイク、3輪バイクのタクシー、チャリンコのタクシー、
牛、犬、様々すぎる店、物売りの人達、、、
全部初めて見るけど、
ここに無い物は無ぇんじゃないかっつ~くらい色んなもんが目に付く。
目の前に広がる景色全部が珍しくて、
きょろきょろしながら歩いてると、
目があったインド人さんが、こっちに向かって、
謎のゼスチャーをしながら叫んできた。
「ソンナノカンケイネー!!」
えぇ~っ、、、
謎のゼスチャーを繰り返しながら連呼してくる。
いったい何が関係無ぇんだ!?
日本人が教えたんだろうけど、、、
いったい俺はどういう反応をしたら、、、
この頃日本では 「小島よしお」が大ブレイクしてたらしい、、、
その辺りから、いろんな所で
「ソンナノカンケイネ~!!」
と声をかけられて、マジで困ったけど、
どうやら旅行者が集まる地域に入ってきたらしく、
外国人向けの店や、ゲストハウスもたくさんあって、
旅行者もたくさん見かけるようになった。
何件か宿を覗いて、
結局BABAゲストハウスっつ~とこに泊まる事にした。
キレイな上に、めっちゃ安いドミトリールーム(相部屋)があったのもそうだけど、
ウケ狙いとは言え、 最初から決めてたこの旅の唯一の目標、
「インドでサイババと記念撮影」
を狙う俺には超~ピッタリの名前っしょ?
まぁ一番の決め手は、
シャワーがお湯 っつ~ことなんだけど(笑)
チェックインの手続きを終えると、
日本語を話せるマッチョなオーナーに勧められて屋上に行ってみた。
3階まで行き、 更に階段を上がって外に出ると、
超テンションが上がった。
屋上からはバラナシの街が一望出来て、
ガンジス川もすぐそこ。
とにかくめちゃくちゃ気持ちが良い。
宿の中もめっちゃキレイだし、これは間違いねぇ。
大当たりだ。
俺が泊まる事にしたドミトリーだけ
別の場所みたいに残念な感じではあるけど、まぁ、、、
ソンナノカンケイネ~!!
バラナシ、、、
楽しくなりそうだ!!
つづく
インドに行った人って、 両極端に分かれるっつ~よね。
大好きと大嫌い。
インドの雰囲気に超ハマっちゃって、
「インドLOVE~♪」 ってなる人もいれば、
「マジでもうインドなんて二度と行きたくねぇ!!」
っつ~人もいる。
不思議なのが、その間、
「まぁまぁかな~。」 っつ~人があんまいないらしいの。
そんだけ個性が強い国っつ~事なのかな。
「二度と行きたくねぇ!!」
っつ~人は、超体調崩したりとか、 騙されたりとかしたのかなぁ?
大嫌い派の人にはあんまり会ったことねぇからわかんねぇけど、
短い期間の旅行とかで、嫌な目にばっかり遭ったら嫌いにもなるよな、、、。
自分みたいに 長期でダラダラ旅行してるとさ、
「インドLOVE~♪」 な感じの人に会う方が遥かに多いんだけどさ、
やっぱ話を聞いてるとおもしろいんよね。
聞いたエピソードの中で一番笑ったのが、
話してくれた奴のお兄ちゃんがインドに行ったらしいんだけどさ、
帰ってきたら 靴を履かなくなっちゃったって(笑)
あとは楽器とかヨガにハマる人も多いと思うけど、
何回もインドに言ってる人が結構みんな言うのが、
インド人さん、覚えててくれるんだって。
仲良くしてた人はもちろん、
自分が覚えて無い人とかでも、
「ユー去年も来てたよね?」 みてぇな感じで。
それが嬉しくて、また仲良くなって、
どんどん好きになるんだってさ~。
確かに自分の事覚えててくれたら嬉しいよね。
それだけでホント仲良くなっちゃいそうだし、
また来たいって思うっぽい。
まぁ、俺は今回がインド来たの初めてだから、
その経験はまだできねぇけどさ、、、
「アナタ キョネン モ キマシタ?」
ん?
バラナシで泊まる事にしたBABAゲストハウスの受付。
聞かれちゃった、、、よ?
まさか、、、
誰にでも言ってる!?
もしかしてみんな
インド人さんの超テキトーな発言に騙されてるんじゃ、、、
いや、ボサボサでボーボーの
俺の見た目が紛らわしいだけかもしんねぇ。
まぁ、日本人からも
「だいすけさんインドにいましたよね?」 とか言われるし。
ここは変に考えないで、 みんなの素敵な経験を信じよう。
俺の経験は、、、 ネタって事で。
まぁ、いつか使える時が来るっしょ、、、。
ね!!笑
「ガンジス川とか超有名だし、とりあえず行っとく?」
っつ~感じで、特に目的があるわけでも無く、なんとなく来たバラナシ。
偶然マーチさんと再会するまでは、
ここに1ヶ月以上も滞在する事になるなんて思いもしなかった。
BABAゲストハウスにチェックインした後、
ふらっと出掛けて数分。
開放的な川沿いとは対照的に、
細い路地に所狭しと色んな物が溢れてる。
壁にはヒンドゥー教チックな絵や
外国人向けの英語の文字が描かれている。
様々すぎる商店、看板。
がん見して目を逸らさないインド人さん。
行く手を塞ぐ牛とその糞、、、
今まで見てきたどこの町とも全く違う雰囲気に
ドキドキワクワクキョロキョロしながら歩いてると、
後ろから聞き覚えのある声がした。
「だいちゃん、だいちゃ~ん!!」
振り返ると、
レストランの中からマーチさんが手を振っていた。
駅からガンジス川を目指して、
大分上流に着いて、
マーチさんを思い出したおかげで、
旅行者が多く滞在するこの辺りまで来て、
マーチさんに再会。
これが巡り合わせっつ~やつか?
実際に、
マーチさんはバラナシでの俺の毎日に大きな影響を与える事になる。
マーチさんの横には、
この2日間見かけたインド人さんとは雰囲気の違う、
若いインド人の男の子がいた。
お茶してるところだったらしく、
あんまり邪魔しても悪いと思ったけど、
マーチさんもそのインド人さんもすげぇ快く誘ってくれたから、
お言葉に甘えて同席させてもらう事にした。
話を聞くと、
このインド人さんは「サドゥの見習い」らしく、
数日後には本格的な修行に出るっつ~事。
「へぇ~、、、」
とか言いながらも、正直何の事やら全然わかんねぇ。
もっと詳しく聞きたいっつ~気持ちもあったけど、
せっかくインド人さんも一緒の空間で話してるのに、
日本語でばっかり話すのも気が引けてさ。
だから、
「さすがマーチさん、、、」
って感心するのは、もう少し後のこと。
だってこの時は「サドゥ」って何かわかってなかったし。
しばらく話してると、
何か用事があるのかインド人さんが先に席を外した。
それをきっかけに、自然と会話が日本語になり、
話題は「習い事」の話になった。
「だいちゃんは何か楽器とか習うの?」
バラナシでは習い事をする人が多いらしく、
自分もここに来るまでの間に、
バラナシで「楽器を習いたい」とか、
「ヨガを習いたい」っつ~人にたくさん会っていた。
「いや、自分は別に習わないっす。マーチさんは何かやってるんすか?」
「実はちょっと最近、ヒンディー習おうかな~とか思ってるんだよね。」
マーチさんと別れると、
頭の中がヒンドゥー語習いてぇモードになってた。
最近インドの先(パキスタンとか)はテロがあって、
危ねぇっつ~から、完全にあきらめたのね。
だから、 インドはたぶん最後の国になるし、
長くいるつもりなんよ。
だから、英語が通じるとは言え、
ヒンドゥー語が喋れたらもっとおもしれぇじゃん。
それに、このそこら中にある、
訳の分かんねぇ 干からびたミミズが繋がったような文字。
読めるようになって、
意味までわかったら絶対楽しいじゃんね。
しかも、唯一の目的、
「サイババさんと記念撮影」。
サイババさんとヒンドゥー語でお喋りなんかできちゃったら、、、
おいしい事この上無ぇ!!
ただ、 マーチさんが言うには、
英語でヒンドゥー語を習うらしいんよ。
そこがちょっと踏み切れないとこなんだけど、、、
迷路のような細い道を適当に歩いてると、
目の前が開けてガンジス川に出た。
川の手前は石造りでカラフルな建物がぶわぁ~!!って、
上流にも下流にも見えなくなるまで続いてる。
川に浸かってお祈りしてる人や、
半裸の絵に描いたような仙人みてぇな人、
猿、鳥、牛、ヤギなどの様々な動物、、、。
それとは逆に、対岸には何も無ぇ。
マジ何も無ぇ。
砂地があって、その向こうに森?があるのがわかるだけ。
その不思議な感じが、独特の雰囲気を醸し出してる。
ヒンドゥー教の聖地か、、、
確かに神秘的な感じがするぜ、、、
宿に戻ると、
ヒンドゥー語教室の案内が張ってあった。
これも巡り合わせっつ~やつか?
つづく
インドに来ようと思ったのは、
2年ちょっと前に行った初めての一人旅で、
超色んな人から 「インドが似合う」とか、
「インドっぽい」とかって言われて、 なんとなく興味を持ったから。
ただ、インドってさ、
俺あんまイメージ無くて、
ありきたりなんだけど、
ターバン巻いた怪しげなヘビ使いを思い浮かべるくらいだったからさ、
インドのどこに行きたいとか、 インドで何をしたいっつ~のは特に無かったの。
けど、目的が何にも無ぇっつ~のもつまんねぇじゃん?
だから、完全なウケ狙いだけど、
「サイババと記念撮影」っつ~のを目標にしたんだよね。
そんな感じで日本を出発してから、
長かったなぁ~、、、ぴったり9ヶ月。
インドに入国して5日、
ヒンドゥー教の聖地「バラナシ」に着いて3日目を迎えた。
同じ宿の日本人がおもしろがって
「He is Japanese SAIBABA」とか言うからか、
髪形がもっさりしてる見た目からか、
あるいは将来的に後を継ぐ事になるからかどうかはわかんねぇけど、
いつの間にか宿のインド人さん達から
「サイババ~」って呼ばれるようになっていた、、、
おいしい(笑)
「サイババ~。ビニット ノ トコ イク?」
「うん、そろそろ行く~。」
「チョット トオイヨ。アッシーガート。ワカル?」
「うん、たぶん。」
「キヲツケテ クダサイ。」
「ダンニャバード(笑)」
「ナヒーン(笑)」
昨日、
宿の入口に貼ってある 「ヒンドゥー語 Lesson」のチラシを見てたら、
ボディービルダーの顔も持つ、 日本語が上手な宿のオーナーが声を掛けてくれた。
「サイバ~バ~、ユー ヒンディー ナライタイ?」
やるとしたら、英語でヒンドゥー語を習う事になるからさ、
正直ちょっと迷ってて
「やりたいんだけど英語でっていうのが、、、」
「センセイ ワタシ トモダチ。デンワ スル。 トモダチ スグ クル。ハナシ キキタイ? ハナシ キク。ユー ヤリタイ ダッタラ ヤル。ヤリタクナイ ダッタラ ヤメル ダイジョブ。」
話を聞いて断るのは気が引けるけど、
聞かない事にはどんな感じかなんてわかんねぇし、
やるなら早いに越した事はねぇから、思いきってお願いする事にした。
そして夕方、
約束の時間より少し早く宿に戻ると、受付のところで、
キレイな格好をした、感じの良さそうなインド人さんがオーナーと話していた。
「オ~、サイババ~、コノ ヒト ヒンディー ノ センセイ!!」
「Hi. I'm Vinit. Nice to meet you.」
「Nice to meet you too. I'm Dai. But never Die. Hahaha・・・」
(決して死なない)
お決まりの自己紹介ギャグは思いのほかスベッたけど、
ビニット先生の話を聞いてみると、なんだかイケそうな気がしてきた。
超感じの良い先生で、 英語もゆっくり話してくれて分かり易いし、
レッスンのカリキュラム的なもんもしっかりしてて、 勉強の進め方も無理がなさそう。
料金も1ヶ月やるなら安くしてくれるっつ~んよ。
やるならある程度がっつりやりてぇと思ってたから嬉しい。
うん、GOするまでちょっと時間掛ったけど、
やっぱ、、、 迷ったらGOだな!!
っつ~ことで、、、
1ヶ月のヒンドゥー語レッスン決定~!!
パンパカパ~ン!!
宿を出て、目の前の細い道を右に行くと急な階段があり、
そこを降りればガンジス川に出る。
今日は、左に行って、
「ベンガリートラ」と呼ばれる通りに出た。
「ベンガリートラ」には、 宿、メシ屋、カフェ、
ネット屋、両替屋、タバコ屋、床屋、お菓子、ジュース、
服屋、お香、フンドシ、神様グッズ、、、 まぁ大概のもんはある。
この車も通れないくらいの細い道を、
時には しつこい客引きや大麻の売人、売春の誘いを断りながら、
時には 身体を寄せ合って寝ている犬の家族を起こさないように、
時には 突然掛かる「ソンナノカンケイネェ!!」の声に愛想笑いを返しながら、
時には 横向きで完全に道を塞いでいる牛が向きを変えるのを待って横を通り、
基本的に、 そこら中にある牛の糞を踏まないように気を付けながら歩く。
「ベンガリートラ」をアッシーガートと逆方向にしばらく歩き、
更に細い道に入ると、日本語が超上手なインド人さんがやってる
日本人向けのなんでも屋がある。
色んなものが売ってる上、 日本のマンガや本も充実していて、
来るといつも誰か日本人旅行者がいて、 マンガを読んだり、店主さんと遊んでたりする。
店主さんの奥さんが日本人で、 日本の情報にも詳しいらしく、
「ソンナノカンケイネェ!!」 は「小島よしお」っていうお笑い芸人のギャグで、
今日本で大ブレークしてるって事を教えてくれたのもこの人だった。
バラナシに着いた日に、 たまたま通りかかった俺に、
「なんでも屋やってるからなんかあったら来て」 って
超流暢な日本語で声を掛けてくれたのがきっかけで ここの存在を知ったんだけど、
店主さん超良い人で、色んな事を教えてくれるし、
なにかと頼りになる存在で、すげぇ有難い。
なんでも屋で昨日ビニット先生に言われた通り、
レッスン用と課題用にノートを2冊購入した。
基本的に物事は形から入るタイプだから、
もともと持っていたものとは別に、黒ペン、赤ペン、青ペンも揃えた。
よしっ、準備万端。行くか!!
バラナシのガンジス川沿いにずら~っと続く「ガート」と呼ばれる「沐浴場(ガンジス川に浸かってお祈りする場所的な、、、たぶん)」の一番南端、上流にあるのがビニット先生との待ち合わせ場所、アッシーガートらしい。
っつ~事で、 ガンジス川を左に眺めながら、
川沿いを歩いて行く事にした。
周りの景色や、物売りの子供たちとのやりとりを楽しみながら、
ゆっくり30分くらい歩くとアッシーガートに着いた。
ここから少し歩いた所にビニット先生の家があり、
そこでレッスンをしてくれるらしいんだけど、
わかりづらいからっつ~事で、
今日はアッシーガートまで迎えに来てくれる事になっている。
時間で待ち合わせればいいと思うんだけど、
着いたら電話してくれっつ~事だったから、
約束の時間が近づくと、電話屋さんを探して、
聞いてた電話番号に電話をした。
何度目の電話だろう。
電話屋のおっちゃんとも大分気まずくなってきた頃、
ようやく電話が繋がり、 約束の時間を大分過ぎて、
ようやくビニット先生と会う事ができた。
少し歩くから、
レッスン開始の15分前に待ち合せようっつ~ことだったんだけど、
むしろ15分過ぎてる、、、
まぁ、インドですから(笑)
旅行してるだけではまず来ないような場所にある
石造りのアパートの階段を上がり、2階の奥に先生の部屋があった。
お世辞にも広いとは言えない部屋だけど、
綺麗に片付いていて、とても居心地の良い空間。
奥さんが入れてくれたレモンティーを飲みながら少し雑談をして、
楽な雰囲気で初めてのレッスンが始まった。
「Teek hae? It mean [ It's OK?] Answer is... if you are OK, ji-han, teek hae... 」
「ダイ、ティーク ハエ?」
「ジーハン、ティーク ハエ!!」
つづく