【伝説の旅日記を公開】
若かりし頃にアジア1人旅をしたダイスケは、旅の後、『そうだ、旅の経験を文章にして、たくさんの人に読んでもらおう』と思い立つ。時代を読むセンスがあればブログを書いていたと思うのだが、スーパーアナログ人間ダイスケは、『そうだ、電車の中で読んでもらおう♫』と、書いた旅日記を印刷し、駅で配るという行動に出る。『アジア1人旅、旅日記を書いています。よろしければ読んでみてください!!』と駅前で声を張り上げ、4年という期間(旅は1年ちょっとなのに)をかけ、意地で書ききった当時の自分を、僕は今、、、あまり思い出したくない(笑)
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さぁ来た、日曜日!!
KOLKATA SUNDAY NIGHT FEVER Vol.2
この間のボランティアズデーで大うけしたのをきっかけに、
いろんな国から来てる ボランティアさん達にアピール出来たおかげで、
今回はたくさんの旅行者が来て、前列に座ってくれたんよ。
で、前回同様、
ジャンベとホーミーからスタートしてセッションを始めると、
今回もたくさんのインド人さんが周りを囲んでくれた。
さぁ、今日もノリノリで行きましょ~、、、
ね?
あれ?
なんか空気が重い?
みんな笑顔で見てくれてはいるんだけど、、、
ふ~ん、そういう感じね。
はいはい、全っ然大丈夫。
そういう事ならしょうがねぇ。
じゃぁ、、、 いきなりいっちゃうかな。
このパフォーマンスの醍醐味。
「特技とかなくても、一緒になんかやろ~!!」
っつ~ことで、
宿の屋上で練習してきたあれ、
早速あれをやっちゃいましょう!!
日韓5人組、
「上を向いて歩こう」 手話をダンス風にアレンジした奴~!!
せ~のっ!!
ひと~り~♪ぼ~っちの~よるぅ~♪♪
どうだ!!
はいっ、温まった~、、、
ん?
あれ?
微妙?
え?うそ?マジ?
やべぇ、どうしよう、
もうネタとか無ぇんだけど、、、
やばいやばいやばい、、、
完全にテンパった。
その時!!
エチオピアンジャンベマスター登場!!
うわぁ~、マジで!!
今日は来れないって言ってたのに~!!
もうタイミング良過ぎ!!
超格好良過ぎ!!きゃぁ~!!!!
そこからの圧巻のパフォーマンスったらもう、、、
彼以外みんな観客(笑)
マジ空気の変わり方もハンパ無ぇ。
わぁ~っ!!って。
見惚れちゃってたんだけどさ、
パッと我に返って、ずうずうしくもホーミーで参加。
他のみんなも持ってる楽器で、
持ってない人も手拍子で参加して、セッション再開。
俺リズム感悪りぃから、
合ってるかどうかとかはよくわかんねぇんだけど、
一緒にやっててさ、
1人凄い人が入るだけでこんなに変わるか?
っつ~くらい、
身体全身に響く感じがマジで超~気持ち良いの。
そしてまさかの、、、
チャリ~ン!
チャリン、チャリ~ン!!
うわぁ、すげぇ!?
お金飛んできた~!!
そして、数分後、、、
エチオピアンジャンベマスターは帰っていった。
その後ろ姿の格好良さといったらもう、、、
彼のおかげで 最高に盛り上がったみんなの前ではもうなんでもあり。
ギターでリンダリンダー!!ってやって、
トレーイントレーイン!!もやって、
最後はもっかい、、、
ひっと~るぃ~♪ ぼぉ~っち~の~ よ~るぅ~♪♪
そうそう、これこれ~!!
この盛り上がりが欲しかったのよ。
よ~し、じゃぁ締めよう!!
うん、打ち合わせ通りで。
はい、いくよ~。
せ~のっ、
エンダ~ンス♪ エンダ~ンス♪
ほら、入って入って、、、
エンダ~ンス♪ エンダ~ンス♪
カモ~ン !! エビバデ~ !! トゥギャザ~ !!
周りを囲んでくれてる旅行者さんも
インド人さんも、大人も子供も、男も女も、、、
手当たり次第巻き込んで強制参加。
しかも意外とみんなノッてきてくれて、
気付いたらめっちゃ国際色豊か。
超ノリノリだったり、
恥ずかしがりながらだったり、
爆笑しながらだったり、、、
みんなで、
エンダ~ンス♪ エンダ~ンス♪・・・
なんかマジ超平和(笑)
よ~っし、締めるよ~!!
せ~のっ、
エンダンス、エンダンス、
エンダンスダンスダンスダンス、、、
ぅ~ん、エンジョイプレイ!!
ダンニャバード!!
ワァ~!!
またまたたくさんの歓声や拍手を貰って、
インド人さんに囲まれて握手したり、ハイタッチしたり。
今回はお金をくれる人もいて、
もう超嬉しくて、
気分最高!!
スタートが結構微妙な雰囲気だったけど、
また盛り上がって良かった~。
(拝啓、ガレッジセール様 ギャグお借りしました。ありがとうございます。)
宿に戻って、
お金を数えると139ルピー(当時400円くらい)あった。
少なく感じるけど、20ルピーでメシ食えるからなぁ。
それを考えると、決して少なくないっしょ?
サンジュは、
ボランティアで通ってるダヤダンにいる子供の一人で、
喜怒哀楽の激しい超元気な暴れん坊。
ベッドの柵をいつ蹴り壊すかっつ~くらい(笑)
目が見えなくて、耳はどうだろ?
言葉は理解してないと思う。
年は、小学生くらいかな。
手足はしっかりしてるように見えるけど、
立てないし歩けない。
毎日ボランティアに
身体を支えてもらいながら歩く練習をしてる。
気分転換みたいな意味ではすごく良いと思うんだけど、
立って歩くっつ~意味では、効果があるのかどうか、、、。
何日か前、こつりさんが言ってた。
「サンジュもね~、
リハビリ用のちゃんとした靴があれば、
もっとちゃんと歩けるようになると思うんだけどね~。
ここはそういうのは買ってくれないから、、、」
「あ~、そうかもしんないっすねぇ。
そういうのっていくらくらいするんすか?」
「1500ルピーくらいあれば買えると思うけどね~」
路上パフォーマンスをして、
「あわよくばお金を稼いじゃったりして。
更にそれを寄付しちゃったりして。」
なんて言ったものの、
どういった形でどこに寄付をするかっつ~のは、
まだ全然決まって無かったからさ、 これだって思ったんよ。
で、参加してくれるみんなに了解をもらって、
それを路上パフォーマンスの目標にさせてもらった。
他の子たちにも何か、、、
みたいな複雑な気持ちもあるんだけど、
まぁ、出来る事を1個1個やってくしかないべっつ~感じ?
っつ~事で、、、
1500ルピー貯めて、
サンジュの靴を買う!!
あと1361ルピー。
つづく
う~ん、大丈夫かなぁ、、、。
もともと足の親指が巻き爪でさ、
気をつけてないと、食い込んで痛くなってくんの。
旅行出てから、ずっと大丈夫だったんだけど、
最近ちょっと痛くなってきたのが気になって、
食い込んだところを切ったんよ。
本当はさ、巻き爪ってあんまり変に切らない方がいいんだけど、
結構深くまで切っちゃったんよね。
そしたら案の定、、、
バイ菌入ったっぽい。
今はまだそんなに痛くねぇけど、
今までの経験からすると、これ、、、
ま、それはともかくとして、
『「上を向いて歩こう」手話をダンス風にアレンジした奴~!!』
で味をしめてさ、
次回のパフォーマンスに向けて、
新しくダンスを用意しようと思ってさ、
良い感じにスペースのあるマリアG.H.の屋上で練習の日々。
曲は何故か、
「ツッパリ・ハイスクール・ロックン・ロールの替え歌。」
歌は日本語のままで、もちろんアカペラ。
歌詞に合わせた振り付けもインド人さん達には意味不明だろうけど、
大事なのは、旅行が目的でインドに来た、
ダンス未経験者の勇気ある日本男児6人組が、
大勢のインド人さん達に、
どうにかしてハッピ~を振り撒こうという心意気でしょ!!
大丈夫。
自分がインドの全てを超おもしろく感じるように、
きっとインド人さんも、外国人の俺達がする事が、
なんでも超おもしろく感じるに違いない!!
ボランティアを終えて地下鉄で戻ってくると、
サダルストリートでシャツを掴まれた。
振り向くと、
そこにいたのはここでよく掴まるガキんちょ。
毎回、会うたんびに
「10ルピーちょうだい。」とか
「メシ食わして。」 っつってしつこく付いてくる。
だから、いつも通りに、
適当にあしらおうとしたら、今日はそうじゃなかった。
「ウィ~ウィ~・・・
Dance, dance !!
Next Sunday you come ? New market ??? 」
どうやら、「ウィ~ウィ~・・・」言ってるのはホーミーで、
今度の日曜日もニューマーケットで、
パフォーマンスをやるのかどうかを聞いてきてるらしい。
この、、、 きゃわいい奴め~
「Ye~s !! Next Sunday also we will do !!」
「What time ? 」
「I think maybe・・・ about 6 or 6'30.」
「OK !! Bye !! 」
やっべぇ、めっちゃ嬉しい!!
あいつと会って、
初めて「頂戴攻撃」されなかった っつ~のもそうだけど、
俺達のパフォーマンスを楽しみにしてくれてるなんて、、、
きゃっほ~いぃ!!
モチベーション上がりまくり。
それからというもの、ダンスもめっちゃ練習した。
練習もまぁ~楽しくて、 毎日爆笑しながら、超~汗だくになって練習。
内容とか、構成とか、振り付けも、
みんなでアイディア出しながら練って練って、踊って踊って。
気付くと、 くだらねぇけど、なかなかの完成度(笑)
そして、、、
KOLKATA SUNDAY NIGHT FEVER Vol.3
ぶぅ~~~~~ん、ぶんぶん~!!
(エアバイクで暴走族)
パパラパラパラパラパパパ~~ン!!
ザザ~ッ、、、
(バイクから降りて、、、中央に集まって、、、)
今日も気合い入れてくんでよろしく~!
よろしく~!!
日曜だからってお休みしてんじゃね~ぞ、よろしく~!
よろしく~!!
じゃぁ皆様に挨拶すっからよ~、
元気よく行こうぜ。
せ~のっ!!
ナマステ~。
(最後に心を奪われるカワイイ女役さんによる、英語での歌詞&振りの説明。)
からの~
ワンッ、ッツゥ~、 ァ、ワン、ツゥ、スリィ、フォ~!!
♪今日も元気に ドカンをキメたら♪
♪ヨーラン背負って リーゼント♪
♪ツッパリハイスクール ロッケンロー♪
♪突っ張りハイスクール ロッケンロー♪
♪剃りも入れたぜ バッチリキメたぜ~♪
でもキレてな~い!!
♪今日もアッチャー タイパン履いたら♪
♪バックパック背負って 歩き方♪
♪移動はリキシャだ ロッケンロー♪
♪メシはカレーだ ロッケンロー♪
♪リキシャボラれた メシもボラれた~♪
でもキレてな~い!!
♪財布盗られた♪
♪カメラ盗られた♪
♪かばん盗られた♪
♪いろいろ盗られた~♪
でもキレてな~い!!
♪♪カワイイ女に心奪われた~♪♪
SO キレてな~い!!
ややうけ(笑)
からの~
エンダ~ンス♪ エンダ~ンス♪
ほら、入って入って、、、
エンダ~ンス♪ エンダ~ンス♪
カモ~ン!!エビバデ~!!トゥギャザ~!!
あいつは、、、 お、いたいた。
ほら、お前も入れ!!
エンダ~ンス♪
またまたみんなで~、
エンダ~ンス♪ エンダ~ンス♪ ・・・
ふふ、やっぱり超平和(笑)
よ~っし、締めるよ~!!
せ~のっ、
エンダンス、エンダンス、
エンダンスダンスダンスダンス、、、
ぅ~ん、エンジョイプレイ!!
途中ゴタついたり、
まごまごしたりもしたけど、上等上等。
今日も楽しかった。
満足して宿に戻って、
今日集まったお金を数えようとすると、
一緒にパフォーマンスをしたメンバーの1人が興奮しながら言った。
「見て、この20ルピー。
この20ルピーはでかいよ!! 誰からだと思う?
なんと、、、 あのガキんちょから!!」
えぇ~!?
みんな超びっくり。
まさか、いつも会う旅行者、
誰にでもしつこく「頂戴攻撃」をしてくるあいつが、、、
あのやろ~。
やっべぇ、目頭が、、、
つづく
さぁ、どうする?俺。
日本を出て丸1年が経った。
ここのところ、帰国の2文字が頭をチラついてきた。
理由は3つ。
1つは、足の親指。
ダンスの練習で動いてるせいもあってか、悪化しちまった。
痛みも強いし、膿んできた。
歩くくらいは大丈夫だけど、
激しい動きは結構キツい。
日本だと、
局部麻酔で5分ほどの簡単な手術で切ってくれるけど、 こっちだと、、、
ちょっと、
いや、めっちゃ怖ぇ。
だから、できれば治療は日本でしたい。
2つ目は金銭面。
残ってるお金は、日本円にしてあと20万弱。
ここまで、1年で50万くらいしか使って無い事を考えると、
まだ行けそうな気もするけど、、、
インドを最後の国にするって決めた時から、
日本へ帰るルートは大体決まってる。
コルカタからタイのバンコクに飛行機で飛び、
そこから陸で中国の上海を目指す。
そして船で日本へ。
飛行機代、船代、上海までの長距離移動、
その間の食費、宿泊費とかを考えると、
このルートで帰るには7~8万は見ておきたい。
それに、日本に帰っても貯金はゼロ。
1年間散々遊んできて、実家に戻らしてもらう上、
いきなり「お小遣い頂戴」はダサすぎる。
「貸して」っつ~便利な言葉もあるけど、
それを当てにして帰るのはなにか違う気がするし、
できれば使いたくねぇ。
それを考えると、、、
やっぱり最低でも10万は残してぇな。
3つ目は達成感。
自分で思い付いたコルカタでの路上パフォーマンス。
いろんな人の協力で実現できて、
いろんな素敵な反応が返ってきて、
想像を遥かに超えた最高な時間を過ごしてる今、
これまでに感じた事のない、達成感を感じてる。
あとは、目標の1500ルピーを達成したら、、、
ただ、達成してない事が1つ。
ウケ狙いとはいえ、
日本を出る前から決めていた唯一の目標。
「サイババと記念撮影」。
行こうと思えば、行ける。
ここのところ意識してなかったけど、
そもそも行くつもりでここに来たんだから。
ただ、、、行かないと心残りか?
と言うと、、、 実はそうでもない。
ここに来るまで、
いろんな偶然が重なってる気がして、
「これは完全にサイババに呼ばれてる」
って思ってたけど、
最近どうやら流れが変わったみてぇだ。
インドに長くいるなら話せた方が楽しい
と思って習ったヒンドゥー語は、
ここではあんまり意味が無い上、
ノートは盗まれて、勉強もできず、早くも忘れつつある。
25歳未満の人 1人ではサイババに会いに行けないっつ~事で、
一緒に行かせてもらう事になってるR-25のマーチさんも、
バラナシで体調崩したり、
治ったと思ったら彼氏が体調崩したりで、まだバラナシ。
まだしばらくは来れなそうだし。
足の件もそうだし、
このタイミングで残金が気になるのも、流れが違う気がする。
この感じだと、
今まで 「これは完全にサイババに呼ばれてる」と思ってたのは、
どうやらとんだ勘違いらしい。
でも、この1年で経験してきた、
今日に繋がる、信じられないような偶然の重なり方や、タイミング。
あまりにも奇跡的な事がたくさんあって、
俺には、「呼ばれてる」っつ~言葉が一番しっくり来るんよ。
じゃぁ、俺を呼んでたのはいったい、、、
――――――――妄想モード突入―――――――――
あ、もしかして、、、
未来の俺か。
この旅の途中、
いろんな場所から「呼ばれた」気がした。
そう感じるくらいいろんな偶然が重なって、
導かれるようにしてその場所に辿り着いたように感じたから。
この旅の途中、
いろんな出来事から「呼ばれた」気がした。
その出来事は、その時、その場所でしか起こらないのに、
そこに自分がいる事が奇跡に思えたから。
だけど、本当はそうじゃないのかも、、、
俺の事を呼んでるのは、「少し未来の俺」。
「少し未来の俺」は、
良くか悪くかわかんねぇけど、
「今の俺」より少し成長してる。
そんな「少し未来の俺」は、いつだって
「俺のところまで来い!!」 っつって、
「今の俺」を呼んでるんじゃねぇかな。
何をしたって、何もしなくたって、
生きてさえいれば、「少し未来の俺」のところには辿り着く。
一生懸命辿り着いた「少し未来の俺」と、
ボーっとして行きついた「少し未来の俺」には、
少しの差しかないと思う。
でも、過程に大きな違いが生まれる。
きっと、楽な道や、今の俺に都合の良い道を選んでも、
「呼ばれてる」って感じる事はほとんど無い。
でも、自分の「やりたい」っつ~気持ちを大切にして、
いろんな困難や葛藤を乗り越えて、
その末、 もし少しでも「達成」できたら、、、
その時はきっと、
いろんな偶然が重なったように感じて、
いろんなタイミングの良さに導かれたような気がして、
自分の身に奇跡が起こったような気がして、
まるで、自分はこの「達成」した結果から
導かれてたように感じるんじゃねぇかな?
それで、もっとやりたくなって、
困難を乗り越えていくパワーが生まれる。
だから、きっと、自分の進むべき道を、
自分から逃げずに選び続けていくことができれば、
たくさんの素敵な偶然がタイミングよく重なって、
奇跡のように感じる事がたくさん起きて、、、
「だいぶ未来の俺」には相当な差がつく。
結局、奇跡の起こる道も、 何も起こらない道も、
選ぶのは、「今の自分」
起きた事を奇跡と感じるかどうかは
「今の自分」が行きついた「少し未来の自分」
インドを目指して、他に手段が無く、
どこに着くか分からない列車に乗って、 もしもインドに着いたら、、、
きっと奇跡に感じる。
どこも目指して無ければ、
どこに着くかわからない列車には乗らない。
どこに着くか分からない列車に乗って、
インドに着いたのは運かもしれないけど、
奇跡に感じたのは、
違う場所に着いた時の困難を覚悟した 「今の自分」が行きついた、
起きた事を奇跡と感じれるだけの器をもった 「少し未来の自分」だから。
なるほど、つまり・・・
俺は、旅をして、
いろんな人に出会ったり、 いろんな経験を積んだり、
無理やりにでも「迷ったらGO」をしているうちに、
いつの間にか「やりたい事」がちょっとくらい難しくても
「挑戦」できるようになってたんだ。
だから、経験した事の無い、
「できたり、叶ったりしていく過程」が、
奇跡みたいに感じたんだ。
それに、楽をしてるだけでは行けない、
「奇跡の起こりえるところ」に、
勇気を出して踏み込んで行けるようになってたんだ。
おぉ、これこそまさに奇跡!!
―――――――妄想モード終了―――――――
ふぅ。
旅に出てからというもの、
自分の妄想が熱すぎて暑苦しい。
その上、飛躍しすぎて、
そもそも何を考えてたのかわかんなくなっちゃうんだよなぁ、、、。
まぁ、そんなに嫌でもねぇんだけど。
で、なんでこんな妄想に、、、
あ、そうだ。
「サイババと記念撮影」は・・・
いいや。
つづく
「あ、だいすけ君。もし良かったら本を貰ってくれませんか?」
宿の大部屋、ドミトリーで、
斜め前のベッドに泊まっている日本人のシンジさん。
この旅で出会ったらしい韓国人の彼女と一緒に旅行をしている、
うらやましすぎるお兄さん。
またこの韓国人の彼女がかわいいのなんの。
めっちゃ人なつっこくて、
「ダイスケ~、for you.」っつって、
手作りのミサンガをくれたりすんの。
韓国なまりの片言の日本語もたまんねぇよ。
この前なんて、、、
おっと、話がずれちまった。
「え、いいんですか? じゃぁ、いただきたいっす。」
バッグを盗まれて以来、
読む本を持ってなかったから、嬉しかった。
毎日充実してるっつっても、
テレビとかもないじゃん?
だから、暇な時間も結構多いんよね。
シンジさんのベッドの方にいくと、
すげぇ量の本が並べてあった。
「こんなに持って旅行してたんすか!?」
「いや、体調崩して しばらくコルカタにステイしてる間に溜まっちゃって(笑) そろそろ出ようと思ってるんだけど、 さすがにこんなに持って歩けないでしょ。 だから、ここにあるので良ければ、好きなだけ持って行って。」
「そうだったんすか。じゃぁ、遠慮なく。
え~っと、どれにし、、、 あっ!?」
目を疑った。
そこにはなんと、あの、、、
海辺のカフカ(上・下)が!!
「うわぁ~!?海辺のカフカだぁぁあ~!!すげぇ~、ハンパ無ぇ!!シンジさん、僕はこれが、、、 この本が一番読みたかったんです!!」
感動し過ぎて1人で盛り上がってる俺にちょっと引きながら、
「そんなに!?
まぁでも、そんなに喜んでくれるなら、声掛けて良かった。」
「いや、もうめっちゃ嬉しいっす。
上巻読んだのに、下巻だけ盗まれて、、、
もう日本帰るまで絶対読めないって諦めてたんす。
それがこんな展開に、、、
あ~マジかぁ。んもう超~嬉しいっす。
本当に貰っちゃっていいんですか?」
「もちろん。」
「ありがとうございま~す!! じゃぁ、下巻だけ、、、」
「いや、それはさすがに、、、」
「ですよね~笑」
いやぁ~、なんっつ~偶然。
まさに奇跡だ。
こんなこともあるんだなぁ。
だけど、(上)だけ2冊持っててもなぁ。
(上)だけなんて、貰い手も無ぇだろうし。
かと言って、捨てるのも気が引けるしなぁ、、、。
ま、1冊ぐらいどうってこと無ぇし、持って帰るか。
そうだ、この余った(上)には、素敵な任務を命じよう。
――――妄想開始――――
日本まで持って帰って、
どっかに置きっぱなしにして忘れて、、、。
何年も経って、結婚して、
生まれた娘も大きくなって。
家族で実家に帰って、
なんとなく机の引き出しを開けたら偶然見つけて、
「なんだこれ?(上)だけ?あ、この本は・・・」って。
懐かしくて、つい読みふけっていると、、、
「パパ~何してるの?」
高3にもなって、未だにパパと結婚するとか言ってる、
かわいい娘が入ってきて、
「それ何~?」
「これはね、パパが昔、
インドを旅してた時に読んでた本なんだけどね、、、
見てごらん。(上)って書いてあるだろ。
実はこの本の(下)は持ってないんだ。」
「どうして?」
「コルカタっていう街を目指して乗っていた列車の中でね、
カバンを盗まれちゃってね、
その中にこの本の(下)も入ってたんだ。
今となっては良い思い出の1つだけど、
あの時は本当に悔しくってなぁ、、、」
「パパとママが会ったのもインドだったよね?」
「そう。 実は、そのかばんの中には、
ママから初めて貰った手紙も入っててね。
その時はまだお友達だったんだけど、
パパはもうママに恋をしてたからね、
それはもう落ち込んでね、 なっかなか諦めきれなかったんだ、、、」
「へぇ、そんな事が。
でも、ママの心は盗られなかったんだね。
ねぇ、パパ。 私も高校卒業したら行ってこようかな?インド。」
「え?」
「そしたらパパみたいな素敵な人が見つかるかな?」
「だい子、、、
お前はまた、そんな事言って。
何も出ないぞぉ、このこの!!」
「きゃぁ!! あははは・・・」
「あははは・・・」
――――妄想終了――――
っつ~良い雰囲気になる為の道具にしよう。
あぁ、、、妄想って、、、
幸せ
さて、
日曜日も近いことだし、
現実でも幸せ感じちゃうぞ~!!
このところ、路上パフォーマンスの結果が、
目に見えて出てきてるのが嬉しい。
参加してくれるっつ~人も増えたし、
実際にパフォーマンスを見に来てくれて、
「何かしたかったけど、何をしていいかわかんなかったんだ。 パフォーマンスも、恥ずかしくて なかなか参加する勇気は出なかったけど、 見てて、すげぇ楽しかったから、 しかも、サンジュの靴になるなら、、、」
つって、お金を カンパ してくれる旅行者もいる。
1回のパフォーマンスで集まるお金の平均は、
150ルピーに届かないくらいだけど、
おかげで、目標の1500ルピーが現実的になってきた。
ただ、なんせ足が痛ってぇ。
たかが足の親指が1本膿んでるだけで情けねぇけど、
歩くのも気をつけて歩かないといけなくなってきた。
次のパフォーマンスは意地でもやるけど、
その次は、、、
う~ん、なかなか、、、 厳しいかもしれねぇ。
まぁ、そんな事を考えててもしょうがねぇか。
とりあえず次を全力で楽しもう。
4回目を迎えて、参加者は今までで一番多い。
ジャンベが得意、パチカが得意、 ギターが得意、
ディジュリドゥが得意、 ファイヤーポイが得意、
など特技を持った人も充実してる。
恒例になった創作ダンスは、
「ダンス!?えぇ・・・」 って言いながらも、
なんだかんだ一緒に練習してくれて、
結局男女4人ずつの8人でやれる事になった。
今回は、シンジさんの彼女も、
「手話付き『上を向いて歩こう』」を練習して、参加してくれる。
準備はばっちり。
あとはもう本番を楽しむだけだ。
KOLKATA SUNDAY NIGHT FEVER Vol.4
いざ!!
つづく